30歳を過ぎてから静岡県の野菜農家に嫁ぎ、20年ほどになります。
主に、新生姜、ゴーヤ、オクラ、グリーンピース、小梅などを生産しています。
夫の両親、高校生の子ども2人と6人暮らしをしていますが、ようやく子どもにも手がかからなくなってきました。
しかし、だんだんと先のことが不安となり、将来について考える機会が増えています。
家計簿をつけていて気になるのが、保険です。
夫のJA関係の保険(終身・医療共済・年金共済)に加入しており、私が入っているJAの終身保険は義父が契約加入してくれてます。
さらに私は会社勤めの時に加入した個人年金保険と医療保険をそのまま続けていて、2人の子どもは、共に県民共済のこども2型に契約しています。
いままでは「何かあった時のために」と考えていたのですが、複数の保険の契約をこのまま続けていいのか判断がつきません。
保険料は月額で約5万円。できれば保険料を減らし、将来の貯蓄に備えたいと考えていますが、もし解約するならば、よいタイミングはあるのでしょうか?
また、貯蓄額に関しても気になっています。いざというときのための貯蓄は、どの程度貯めるべきなのでしょうか?
自営業のため、体が動く限り働くつもりですが、生産コストも上がってきているため、いくら貯めておくべきなのか悩んでいます。
やはり貯金額によって、保険の契約継続の判断も変わってくるのでしょうか?
(静岡県・立花さん/仮名・40代)
K.K.さん
元JA職員
保証はできるだけシンプルに。残りの保険は状況に応じて判断を
複数の保険の見直しというのは、考えるだけで憂鬱になりますよね。モヤモヤしたまま考えていると、将来への不安も膨らんでいくばかりです。
ご夫婦両方の現在における共済・保険の加入内容が分かると、より具体的にお話がしやすくなるのですが、今回は質問内容をもとにお話しさせていただきます。
農家の方が保険を考える上で、基本的なポイントとして「3つの備え」があります。
1、自分・家族・家の万一に備える
2、他の人に万一被害を与えてしまったときに備える
3、貯蓄(投資)で備える
なにより1と2が最優先です。では、保険の見直すにはどうすればいいかというと、結論は「保障はできるだけシンプルにする」ことです。ただし、重要なものは残しておくか減額する(加入する)ことをおすすめします。
気になるのは、何を残して、何を解約すべきなのかですよね。終身共済(生命保険)、自動車共済(自動車保険)、建物共済(火災保険)の3本柱は必ず入っておきます。これ以外の保険は、続ける余裕があれば続け、負担になる場合は解約でもよいでしょう。
次に、子どもの大学卒業まではご夫婦それぞれに十分な保障を意識してください。お子さんは2人とも高校生なので、出費がかかる時期です。ご夫婦のどちらかに万一のことがあっても、残された家族が困らないように備えておく必要があるので、終身保険(もしくは県民共済)で万一における保障をカバーしておいてください。
保障金額は、子どもが高校・大学に通っている間の保障は手厚くし、それ以降は軽くします。最初は保険金などがしっかり保証され、時間が経つにつれ保険金額が減っていく、その代わり安いというプランもあります。「逓減定期特約」という名前のケースが多いです。
お子さんが加入されている県民共済は、掛け金も安価です。不満のない限り保障をそのまま温存しておきましょう。また、個人年金は、現在は、低金利ということもあり、おすすめしにくいです。出費が負担であれば解約し、今後の支出を抑える方向で考えてください。
解約する場合の目安は、加入者さんの誕生月の前々月~前月です。年齢が上がる毎に、保険料も上がるからです。とはいえ私はタイミングを待つ必要はないと考えます。できるだけ早い方がよいです。今すぐにでも解約するスピード感が大切です。
最後に貯蓄についてですが、現在、将来や不測の事態に備えての貯蓄はいくらぐらいされてますでしょうか。一般的な目安だと、生活費の1年分は現金で貯金しておいてください。
災害や作物の不作が生じた場合、生活費が1年分あるケースと、借りなければならないケースではプレッシャーも変わってきます。もし、1年分の生活費が既にたまっている場合は、2,000万円~それ以上を目指して貯蓄をしていくとよいでしょう。ご参考になれば幸いです。