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災害やコロナで農業収入が減る中、子供の大学受験が近づいている。良い対処法は?

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災害やコロナで農業収入が減る中、子供の大学受験が近づいている。良い対処法は?

茨城県で、父と一緒にキャベツを作っている40代です。美味しいキャベツを作ろうと、自家製の堆肥を使用して育てています。

キャベツは天候に大きく左右される作物。異常気象や台風の影響で価格が不安定になっていたのですが、今回のコロナ禍でさらに大打撃を受けました。

飲食店との取引が中止になってしまい、1ヘクタールほどのキャベツが売れ残りましたが、安売りするわけにもいかず、泣く泣く廃棄処分。

また、家には車椅子の祖母が同居しているので、3年ほど前に自宅をバリアフリーに建て替え。

35年ローンで月に10万円ほどの返済をしています。

子どもは3人で、高校生1人と中学生が2人。最近になって上の子が東京の大学に行きたいと言い始め、中学生の子供たちも東京に憧れを持ち始めました。先のことを考えると、今後の教育費も気になります。

まだしばらくは、自然災害やコロナの苦労も続きそうな状況の中、家計も苦しくなってきました。今後、必要な生活費を貯めるため、できることはないでしょうか?
(茨城県・田中さん/仮名・40代)

木下 徹

農業経営支援研究所

「いつまでにいくらのお金が必要なのか」全体像をある程度はっきりさせた上で考えてみよう

ご質問者の場合、突然停電になって周りが真っ暗になった時のように、「災害とコロナ禍で収益が減った」ことにより、急に様々な不安が湧き上がってきた状態なのではないかと思います。

暗闇というのはそれだけで人に恐怖や不安の感情を起こさせます。つまり「見えない」ということ自体が、恐怖や不安の原因であって、それがしっかり見えてしまえば、それらの気持ちは大きく低下するか、消えてしまうものです。

そこで、「見えない」を明らかにしていきましょう。

「将来の生活費を確保するためにできる事は何か?」に関しては、事業を広げたり、資産運用で生活費を確保する方法を知りたいという事ではないかと思います。

しかし、そのような個々の対策を考える前に、まず「いつまでにいくらのお金が必要なのか、(いくら不足するのか)」をはっきりさせることが必要です。

そのためには、現在の貯蓄と収入のすべて、そして保険や借入金の返済を含めた年間の生活費をはっきりさせてください。次に今後5年~10年の間に起こる家族のイベント、つまり進学や車、住宅の購入や更新などの時期と、おおよその金額を計算します。

これらの数値をもとに、Excel(表計算ソフト)などで横軸に「年」、縦軸に「収支と貯蓄残高」を記すような表を作って、今後5年~10年のお金の流れを「見える化」します。この表さえ作ってしまえば、「いつまでにいくらのお金が必要なのか、(いくら不足するのか)」がおおよそ解ってくるので、具体的な対策が取れやすくなります。

つまり、農業所得を今後どの程度伸ばしていくべきか(コロナ禍による減収は永続的なものではないとは思います)、どのタイミグでどの程度の借入をすればよいか、生活費をどの程度に切り詰めれば良いかなどを考えましょう。

もしかしたら、やりくり次第では、数年間は今までの貯蓄で何とかしのげるということになるかもしれません。

全体像をある程度はっきりさせた上で、個々の対策を考えてください。ずっと効率的かつ効果的です。

もちろん個々の対策を具体的に取る段階になれば、新たないろいろ壁は出てくるでしょうが、少なくとも当初抱いていた「 暗闇のいるような不安」 は解消されているはずです。

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高田裕司

日本プロ農業総合支援機構(J -PAO)上席コンサルタント

突発的な災害に備えてBcp(事業継続計画)を作ろう

自然災害やコロナ禍など、心配が尽きない時代ですが、1ヘクタール分ものキャベツが売れず、飲食店との取引も中止になったこと、本当にご苦労なさいましたね。

台風や大雪などの自然災害が相次いでいる近年、農林水産関係の被害額も増加傾向にあります。

こうした中、農業者の皆さんが自然災害などへの備えに取り組みやすいよう、農水省のホームページでチェックリストが公開されていますので、ぜひ一度、確認してみてください。

このチェックリストは、耕種用、園芸用、畜産用の3種類が用意されています。

東日本大震災以降、多くの企業では、災害や不祥事などの緊急事態が発生したときに、事業を滞りなく続けて、被害を最小限に食い止めるための「事業継続計画(BCP)」を作成する動きが進んでいます。

農業の場合は、台風や地震などの突発的な災害に備えて、ハウスや、ダムなどの灌漑施設、農道などといったインフラや、農機具などの経営資源が受ける被害を想定して、早期復旧・事業再開できるように備えておくための計画です。

こちらも農水省のホームページに作成様式が紹介されていますので、こちらも参考に、作成を進めてみてください。

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