北海道でもち米、かぼちゃを栽培している専業農家です。
普段はJAを通して販売していますが、一昨年始めたアスパラガスをご近所さんにお配りしたところ好評をいただいたこともあり、庭先販売をするようになりました。
庭先販売を始めて1年、アスパラガスの新たな販売経路を模索する中で、Instagram(インスタグラム)やTwitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)などのSNSへの投稿も試みました。
すると、思いのほかたくさんの注文が入り、中でも横浜の洋菓子屋さんからは一度に200本の注文が入るほどでした。
しかしSNSでの発信は、出荷後にも問い合わせや注文が入ってしまうのが難点です。
アスパラガスの出荷時期は3~6月ですが、秋や冬になって「SNSを見た」と連絡が入ることもあります。
一度、お客様から「スーパーには商品が並んでいるのに、なぜ今出荷してもらえないのか」と聞かれ、うまく説明ができずちょっとしたトラブルが起きたこともありました。
一般の方に出荷時期が限られていることを理解してもらうには、SNSでどのように情報発信したらよいでしょうか。
(北海道・小橋久さん/仮名・30代)
山岸直輝
株式会社MISO SOUP
来期の予約へ繋げることを意識して!
生産者にとっては当たり前のことも、消費者にはなかなか伝わっていないことがよくありますよね。特に、世界中からの輸入や、産地リレー(全国各地で旬となる時期をリレーし、一番おいしい時期に野菜を提供する)によって、食材は年中スーパーに並んでおり、消費者は作物の旬を意識しにくくなっています。
どんなに対策をしても、一定数のお客様は出荷時期ではない時期に購入を希望することはよくあるので、そこは我慢強く、その都度出荷のタイミングについて伝え続けるしかないかもしれません。
それでも、少しでもお客様とのトラブルを減らすなら、ご自身のSNSに旬カレンダーを表示してはいかがでしょうか?お客様がSNSを見た時に、まずカレンダーが目に入ることで旬の時期を認知してもらえますし、お客様もいつが買い時なのか知ることができます。
また、今期の売上にはならなかったとしても、来期以降に繋げることも大切です。注文を受け付けできなくすることも可能ですが、せっかく「買いたい」と思って問い合わせをしてくださったお客様です。
来期に優先して購入できるよう案内したり、次回の販売時にこちらから連絡したりすれば、きっとご納得いただけると思いますし、毎年購入してくれるお得意様になる可能性だってありますよ!
農業女子プロジェクト
農林水産省
お客様へ伝えるためにも、注意書きの記載を丁寧に!
インターネットでの販売は、質問者さんのようなトラブルが起こることはよくあります。そのため、私の農園のwebページでは、販売の時期や数量は限られていると説明文を丁寧に記載するようにしています。
スーパーにいつも置いてあるものは、いつでも購入可能と一般消費者の方は思いがちです。実際には出荷時期が限られているということを理解して頂くためには、一言ひとこと丁寧に説明する他ありません。
例えば、「天候や環境の状況によっては、出荷量や出荷時期が前後する場合がある」や「数が限られているため、早めに終了する場合がある」といった注意書きは、必ず記載するようにしましょう。それがトラブルを最小限にとどめるコツですよ!