昔は養蚕もやっていたそうですが、現在は野菜作りをメインでやっている農家です。
私の代でも、何か新しいことにチャレンジしたいと思い、現在は加工品の生産についても勉強しています。
畑仕事は家族で分担して作業をしていますが、繁忙期には親族や友人だけでなく、パートさんなどにも手伝いしていただくことがあります。
休憩時は軽食や飲料を用意しているのですが、なかには「トイレに行きたくなるから」などと、口にしない方もいらっしゃいます。
私たちは母屋のトイレを使っていますが、かなり古いので女性は嫌かもしれませんし、圃場から母屋まではけっこう距離があるのです。
ですが、夏は熱中症予防のためにも、水分補給をしっかりしてもらいたいです。
そのため、圃場に簡易トイレを設置しようかと考えています。
我々の作業効率も良くなると思いますが、農地へトイレを設置するにあたり、注意することや、おすすめの商品があれば教えてください。
(群馬県・森野さん/仮名・50代)
小林智彦
株式会社リンフォース
簡易トイレはさまざまな種類がありますが、おすすめは簡易水洗の洋式タイプです
農作業中のトイレ問題は、深刻なのに軽視されがちですよね。特に女性でお困りの方は少なくないかと思います。
弊社でも、キュウリ農家を営む方から同様の相談を受けたことがあります。その方の圃場にはトイレがなく、夏場のハウス内での作業にも関わらずパートさんが水を飲むのを我慢することがあり、健康によくないということでトイレ導入の相談を受けました。
トイレの導入の際、電気や上下水道を引けるなら、自宅と変わらないようなトイレを設置することもできますが、高価なうえにさまざまな制約も多いです。
一方、簡易トイレは比較的安価で、レンタルもあり導入しやすいかと考えます。
とはいえ、ひと口に簡易トイレと言っても、「非水洗・簡易水洗」「和式・洋式」、あるいはおがくずを使う「バイオトイレ」まであります。
最近では、鏡や着替え用のフィッティングボードつきの女性向けトイレもあります。数ある選択肢の中でもおすすめは、臭いがしにくく子供から大人まで使いやすい、簡易水洗の洋式タイプです。
弊社の農地用トイレ「アグリレット」は臭いがほとんどなく、長期間くみ取りの必要もありません。一般的な農家さんのほか、家族連れや不特定多数の方が多く使用する観光農園などで活躍しています。
年々需要が増しており、今年はコロナ対策を意識した手洗器を開発しました。トイレの有無や良し悪しは、ネット上の口コミで評価されることがあり、農地用トイレの重要性・必要性が増していると感じています。
弊社にご相談いただいたお客様には、既設のトイレを見学していただいています。「本当に臭いがしない」と感心し、購入してくださった方も少なくありません。
その後は、夏場もトイレを気にせずしっかり水分補給しながら作業しているそうです。いずれにせよ、排泄は健康に直結する大切なことです。トイレ設置には補助金などが利用できる自治体もありますので、ぜひ調べてみてください。