農業が大好きで、いろいろな農家さんに派遣されて働きに行っている農業女子です。
仕事は楽しく、どの農家さんも優しくて良い方ばかりで働きやすいのですが、生理の時期だけがつらくて仕方ありません。
もともと生理痛がひどい体質で、量も多く、その期間はトイレの頻度も増えます。
でも農作業が始まってしまえばトイレにはお昼休みくらいにしか行けず、おなかの痛みと、経血が漏れてしまうのではないかという不安との戦いです。
農家さんは高齢の男性がほとんどでなかなか相談も出来ず、生理が重い日だけ休むようになってしまいました。
痛みは薬を飲むと少しは和らぎ、我慢できる程度になるので農作業はなんとかできます。
トイレにあまりいけない場合の対処法や、量が多いときの対策が知りたいです。たくさん動いても漏れずに、夏場も蒸れずに済むような方法などありますでしょうか。
(北海道・田中玲香さん/仮名・20代)
宮口真由美
株式会社マーキット
生理用品を見直して漏れの心配を軽減。自身の経血量を知ることも大切です
経血量が多いということですが、まずは、ご自分の経血量を正確に知ることが大切です。
一般的に、生理開始から2〜3日目などの多い日で、1日の経血量は100ccが目安ですから、多すぎる場合、子宮内膜症など婦人科系の疾患の可能性も考えられます。
そこでまずおすすめしたいのは、医療用シリコン製の経血カップ。これを膣に直接挿入して使うことで、Mサイズなら1回で30ccの経血を溜めることが可能です。
1日3回以上経血を捨てる必要があるなら、一度、婦人科を受診してみましょう。経血量を調整できるホルモン剤を処方してもらえます。
かつては「低用量ピル」を服用すると太るんじゃないか?という危惧がありましたが、今はホルモン剤で調整できるので安心してくださいね。
また経血カップの良い点は、溜まった経血をトイレで簡単に流せるところです。
ナプキンやタンポンと違い最長で4〜12時間交換する必要がないので、その点も相談者さまにとってメリットになるのではないでしょうか。
さらに、相談者さまのように経血量が多く衣服にしみ出す心配がある方には、経血カップと吸収性ショーツの併用がおすすめです。
吸収性ショーツは普通の下着と変わらない見た目ですが、股に当たるクロッチ部分に防水性と給水性の高い布が4層構造で仕込まれているので、経血をたっぷり吸収してくれます。
多い日用の分厚いナプキンと違って衣服のシルエットに響かないですし、これでしたら午前中は生理用品の交換の心配がありません。お昼休みに一度経血カップをチェックすればいいだけです。
ただし経血カップは、生理になる前から予定日までの期間中は使えないのが難点です。
そこで、生理予定日近くは吸収性ショーツとナプキンの組み合わせで対応し、生理が始まったら経血カップと吸収性ショーツを併用するのが、漏れを防ぐ最適な方法と言えるでしょう。
日本は生理用ナプキンの性能が良いため吸収性ショーツの知名度は低いのですが、アメリカや台湾、韓国などでは一般的に使われているほどメジャーなアイテムです。
私の知人にスポーツをされているお子さんを持つ方が多くいらっしゃいますが、漏れを恐れて習い事や部活動を休む女子も少なくありません。
そういう子たちが吸水性ショーツを使うことで、ナプキンの心配をせずにアクティブに活動できるようになったことはとても嬉しいことです。
なお吸水性ショーツは、水に30分漬けて洗濯機で洗うだけで汚れは落ちます。
最近では大手アパレルメーカーや下着メーカーでも同じコンセプトの商品を販売していますので、色々と探されると良いと思います。私たちのオンラインショップでも販売しておりますので、ご覧ください。
中村雅和
いのしし社会保険労務士事務所所長/農業労災事務センター常務理事/社会保険労務士
従業員の健康管理は雇用主の仕事!言いにくいなら、雇用主の配偶者に相談を
法律面から考えてみましょう。労働基準法(68条)では「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、雇用主は就業させてはいけない」と明確に規定されています。
すでに休まれているようですので、この権利については使われているようで安心しました。
相談者さまがもっとも気にされているのは、男性ばかりの職場で言いにくい、という部分だと思います。
男性雇用主が単に気が付かないということかもしれませんが、本来女性を雇う以上は、女性の生理を含めた健康管理も雇用主の労務管理の範囲なのです。
雇用主側も、休まれるよりは生理をコントロールして働いてもらうほうがいいはずなので、できれば思い切ってお話ししてみてほしいところです。
とはいえ、やはり男性には言いにくいですよね。
もし雇用主側に女性の従事者(配偶者や娘さんなど)がいるようでしたら、その方にまずお伝えしてみてはいかがでしょうか。