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外国人を雇いたいが不安…….。在留資格や雇う際の注意点を教えてください

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外国人を雇いたいが不安…….。在留資格や雇う際の注意点を教えてください

群馬県でキャベツを栽培する専業農家です。農業を始めて8年が経ち、そろそろ畑を拡大したいと考えています。しかし畑を拡大し、収穫量が増えると、従業員を増やさなければ収穫が追いつかなくなることから、どうやって従業員を増やすか頭を悩ませています。

以前、ハローワークで募集した際に経験しましたが、年齢関係なく求人を出しても、農業希望者は本当に少なく、採用するまでにかなりの時間を要してしまいました。

最近、同じように人手不足に悩んでいた農家仲間は、外国人を数名雇ったとのこと。外国人の働きぶりは素晴らしく、力もありとても助かっていると聞きました。

うらやましく思う反面、仕組みもよくわからず、英語が全く話せない自分に外国人を雇うことができるのかなどといった不安の方が大きく、なかなか行動に移せずにいます。

また、農家仲間からは、在留資格によって日本で出来ることや在留期間が決まっていると聞きます。せっかく働いてもらっても、いずれは国に帰らなければならないのでしょうか?

農業をやりたい外国人は、どのくらい日本に滞在することができるのでしょうか? 在留資格や外国人を雇う際の注意点を教えていただきたいです。
(群馬県・佐藤千尋さん/仮名・40代)

ラマ・カンチャ

時代〜可能性〜行動力で成り立つ農場Time Potential Performance

外国人側の気持ちも考え、異文化理解やコミュニケーションを取りやすい、単純作業を依頼しては?

私は1年を通して暖かいネパール出身です。日本のように四季はなく、乾期と雨期に分かれます。

大学生のころ、愛知県に留学し、妻と出会い、妻の出身地である佐賀県唐津市の気候の良さに魅了されて、移住を決めました。

現在、日本に移住して農業を始めて7年になります。自分の農場を持ち、従業員4人と私の5人で営農。唐津市が全国生産量1位のフルーツトマト、清美ミカン、アスパラを栽培しています。

この5人の他にも、アルバイトとしてインドネシア、ミャンマー、ネパール、日本の方が働いています。

自然に触れ合いながら生きる力をつけたいと始めた農業ですが、外国人として日本で営農するにあたって大変苦労しました。

人脈作りはもちろんのこと、日本の気候変動の激しさに思い通りにいかないことが多く、試行錯誤する毎日。外国人はどうしても色眼鏡で見られてしまうし、言葉や方言がわからずコミュニケーションも取れません。

加えて、農業をやるために強い意思を持って来日しても「なんで日本に外国人が?」と不審がられてしまうこともしばしば。

なので、安易に外国人を受け入れてしまうことは、外国人側もとても大変な苦労をするということは重ねてお伝えしたいと思います。

また、外国人を雇うための制度として「特定技能ビザ」や「技能実習生」がありますが、約5年で帰国しなければならず、一人前の農業者を育てるには5年では足りないのでおすすめしません。

どうしても外国人を雇いたい場合には、パック詰めなどの単純作業を任せられるアルバイトを雇うのはいかがでしょうか?

コミュニケーションが難しい外国人でも、単純作業であれば最低限の言葉や身振り手振りで伝えることができます。

その代わり、意思疎通をしっかり行うことと、異文化理解を大切に「外国人だから」「この国の人だから」という固定概念を捨てて、その人ごとに柔軟な対応をしてください。

無理に教え込んだり押し付けると、外国人にとってもストレスとなりせっかく就業してくれたのに辞めてしまいます。

私自身、外国人として最初はいろいろな苦労はありましたが、自分の行なっていることに自信を持って黙々と取り組む姿を見て、じょじょに周りの反応が変化して、ご近所の方から農耕具を貸してもらえたり、技術を教えてもらえたりと、地域の協力が必要な助け合いの力の絆を構築することができました。

その経験から、農業はお金が儲かる手段ではなく、人脈が儲かる手段だという考えに変わりました。

人脈は生きていくうえで大変大事なものです。外国人を雇う際には、お互いに異文化理解をしてより良い関係で農業に従事してくださると嬉しいです。

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江城嘉一

YUIME株式会社 取締役 人材支援事業統括

特定技能ビザを持っている外国人を雇い、より専門性の高い方に就業してもらうのがおすすめです

質問者さんのおっしゃる通り、外国人の方を雇用する際、さまざまなビザが存在します。そのなかでも、農作業ができるビザは限られています。

農作業ができるビザのうち、「特定技能ビザ」は就労を目的としており、一定の専門性、技術を持った外国人が即戦力として通算5年間の就業が可能なものです。

また、「技術実習生」という開発途上国への国際協力が目的で農家さんが技術を外国人に教えるという受け入れ方もあり、こちらを利用されている農家さんも多くいらっしゃいます。

しかし、実習生の在留は最長5年ではありますが、仕事の業務範囲が特定技能ビザで雇用する外国人の方よりも限られており、さらに日本語の能力に規定がないため、全く日本語を話すことができない外国人の方が実習生として農業に従事することもあります。

ですので、先ほどの特定技能ビザで外国人の方を雇用することをおすすめします。

また、農業の特定技能ビザでは人材派遣が認められているため、外国人の人材派遣会社を通して数か月と区切りを付けての受け入れも可能です。

そのため繁忙期のみ雇ったり、農家さんの人件費などコスト面を抑えることができます。

技術実習生より特定技能ビザを持つ方を雇う方が、より「仕事人」として活躍してくれて、受け入れるメリットが高いと思われます。

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