兼業農家をしている農家ですが、収穫期の間だけ多くの人員が必要になります。
臨時で作業してくれる人を採用していますが、農業は天候や生育状況に左右されるので、必ず仕事があるわけでもなく、前日の夜になって次の日の収穫を断念する事があります。
しかも、それが1日ではなく数日延期になることも……。
そういった場合、人員の数を調整しなければならないのですが、連絡がつかなかったり、クレームを言われてしまうこともあります。
しかし、仕事がなくても賃金を出してあげるほど余裕があるわけでもありません。このような場合、どうすればいいのでしょうか?
(山形県・岡田さん/仮名・40代)
藤野直人
株式会社クロスエイジ 代表取締役
雇用契約書を作り就業規則を設けておきましょう
あらかじめ、「天候(会社の都合でない)によりお休みをお願いする場合がある」と雇用契約書(労働条件通知書)、あるいは就業規則に盛り込んでおくと良いでしょう。
実際のところ、農家は雇用に係る契約書面がないことも珍しくありませんが、問題解決に最低限必要なものとして徹底してください。
また、前日の遅い時間に連絡がつかない状況に関しても、「前日の〇時までに仕事の有無を連絡する」というルールを定めるのがおすすめです。
もちろん、天候に左右されず仕事を提供するのは、経営者としての務めだとは思いますが、規模や余裕が不足している場合も十分にあり得るので、まずは上記の対応から始めてみましょう。
山下弘幸
株式会社農テラス代表取締役、農業経営戦略家
自分の事業の都合にあわせてくれる人材を雇用するのがおすすめです
パートさんは突然休みになれば困るかもしれませんが、仕事がないのに雇えば会社の方にも不利益が生まれます。
そのため、人材を採用する時に雇用契約書を作成して「急な天候変化、災害、トラブルに応じて出勤の取りやめ、あるいはお願いすることがあります」とひと言入れておくのがおすすめです。
また、雇い入れてからもきちんとコミニュケーションを取り、農園の都合を理解して働いてもらえるよい関係性を築いていきましょう。