柑橘類を育てている果樹農家です。伊予柑、甘夏をメインに、最近では中晩柑のはるか、不知火、紅まどんなの面積を増やしています。
現在、作業性を高めるために、急傾斜の園地を小型のユンボを使って、幅5メートル、高さ1.5mほどの階段畑に改造しようかと考えているところです。
しかし、造成したら広い土手になるので、土が崩れないようにグラウンドカバープランツで覆った方が良いかなと考えています。
園地では、雑草抑制効果のあるナギナタガヤの草生栽培を行っていてますが、土手には背の低いほふく性がある草種のほうが適しているのでしょうか?
土手に植えるのにオススメの草種と特性について教えてください。
(愛媛県・渡部庄一さん/仮名・50代)
和田美由紀
雪印種苗株式会社研究開発本部
多年生のセンチピードグラスなら、一度定着してしまえば、ほとんど管理が不要
ご相談は、農園の造成により、大きな法面(のりめん)が出現するということだと思いますが、法面緑化にも緑肥が利用されています。
法面を緑化する目的は、ご質問にある土留めと、省力管理の2つの要素が大きいです。
そのため、緑肥は多年生の品種が向いています。園地本圃には1年生のナギナタガヤでも良いのですが、法面には多年生のセンチピードグラスをオススメします。
センチピードグラスは、初期の生育が非常に緩慢なため定着までに時間がかかりますが、一度定着してしまえば、その後はほとんど管理は不要になります。
また、定着させるポイントとして、播種前に雑草を取り除いておく必要があるのですが、土手を順次造成するとのことですので、その造成のタイミングで播種していただくのが良いです。
センチピードグラスの播種時期は5月上旬~8月下旬ですので、その時期に造成と播種作業が同時に行われるよう計画を立てられてはいかがでしょうか?