有機農業を京都府で行っている農家です。マルチで黒豆を栽培しています。
毎年、畝間の除草に追われていますが、最近、畝間に緑肥を撒いて、それで雑草を抑える技術をインターネットを通じて知りました。
畝間にわざと草を生やして、他の雑草の発芽と生育を抑制し、作物が育ち切る前に勝手に枯れるという方法です。
このような方法を行う場合、使う緑肥の種類はどのようなものが良いのでしょうか?
(京都府・藤原さん/仮名・20代)
有機農業を京都府で行っている農家です。マルチで黒豆を栽培しています。
毎年、畝間の除草に追われていますが、最近、畝間に緑肥を撒いて、それで雑草を抑える技術をインターネットを通じて知りました。
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和田美由紀
雪印種苗株式会社研究開発本部
雑草を抑制する緑肥にはオオムギやテフグラスがおすすめです
畝間の除草に追われている時期は春から夏が多いと思いますので、その時期に使える緑肥作物をご紹介します。
雑草抑制のために用いられる緑肥作物に求められる特性は、早く土壌表面を被覆すること、主作物の生育を邪魔しないよう草高が低いものなどです。
1つ目は4月以降に播けるオオムギです。
弊社では「らくらくムギ」という商品がございますが、特徴は、4月以降に播種することで作物体が寒さにあたらず、その影響で出穂しないまま、夏の暑さで枯死してしまうところです。
出芽や初期生育が早いことで土壌被覆が早く、7月上旬ごろからは徐々に枯れあがってきます。
出穂しないため自然草高は最大で30cm程度です。
土壌を完全に被覆するまで(播種2~3週間程度)は作業等で踏み荒らさないようにする必要がありますが、一度被覆してしまえば盛夏時の雑草をある程度抑制することが可能です。
ただし、7月上旬ごろから徐々に枯れあがり、8月上旬ごろから完全枯死にいたりますが、そのあとは裸地部分で新たな雑草が発生してくる恐れがあります。
2つ目は5月以降に播種できるテフグラスです。弊社には「ST-1(2023年度から「トップガン」という商品に切り替わる予定)」という商品があります。
播種後1.5か月程度で出穂し、草丈も最大で80cm程度にまで伸長しますが、自重で自然倒伏しそのまま畝間を覆います。一部、稔って実ができますが、ひどい雑草化に見舞われることはありません。
細茎で茎数が多く、土壌を比覆する度合いが高くて、自然倒伏後に踏まれることがあっても消失してしまうようなことはありません。長期間にわたって抑草が可能です。
上記2種以外にシロクローバなども候補として挙がりますが、初期生育が遅いため春播きではおすすめできません。
前年度の秋に一面に播種しておき、翌春に主作物のベッド部分のみ耕起するというやり方が良いように思います。