農繁期が落ち着く時期に、毎年旅行へ出かけるのが生きがいだった我が家。
しかしコロナ渦で旅行も行けずに鬱々としていたところ、海外の友人が珍しい食べ物などその土地の品々を送ってくれました。
その中に入っていた、錦糸瓜のような野菜の種を育ててみたところ、とても大きな錦糸瓜がたくさん実りました。
「これは珍しい!」と、良かれと思い近所の方々におすそ分けをすると、「海外の種を無許可で育てるのは法律違反では?」と言われてしまいました。
海外の種を育てるためには、どのような手続きが必要なのか教えて下さい。
(北海道・飯島芳美さん/仮名・38歳)
村上 真哉
FOODBOX代表取締役/COO
証明書が必要になります。条約や法律に触れる可能性があるため、確認しましょう
今回の相談者さんのケースでは、商業目的かどうかにかかわらず3つの対応が必要になります。
まず、その種が「ワシントン条約及び外来生物法」で規制されている品目でないかどうか確認しましょう。絶滅の恐れのある野生動植物の種は、条約等で国際取引が規制されている場合があり、注意が必要です。
リストは経済産業省のWebサイトなどで確認することができます。
次に、植物検疫証明書の取得が必要です。動植物を輸入する際、病害等が日本に入り込まないよう規制をする「植物防疫法」があり、海外から日本へ対象物を持ち込む際には証明書を取得しなければなりません。
その他、輸入時の関係書類(Bill of Lading=船荷証券、インボイス等の写し)も必要になる場合があるので、事前に準備しておくことをおすすめします。
最後に、育成者権の侵害がないかについても確認が必要でしょう。
育成者権とは、新たな種苗を開発した者の知的財産を保護するための権利で、登録されている品種を無断で栽培したり譲渡したりすると違反となってしまいます。
過去にも、育成者権の侵害で裁判に発展した事例があり、損害賠償が命じられていました。育成者権については農林水産省のWebサイトから確認することができます。
ただし、種苗自体を販売する場合は別途指定種苗の届出を行う必要がありますので、別途ご確認ください。