新潟県の小さな漁協に所属する60代の一本釣り漁師です。
規模は小さいながらも良い漁場に恵まれていますが、我々の漁村も高齢化と後継者不足がかなり深刻です。
いまは知人の手を借りてなんとかやっていますが、我々の伝統や技を次の世代に継承したいです。
徳島や岩手では、自治体と会社が一緒になって漁師を育てる活動を行っていると知りました。
海の上で役立つことを教え、卒業後には即戦力として働けるよう、技や知識を教えているようです。
私たちの時代は見て覚えろと言われましたが、若い人にはきちんと研修する方がいいでしょう。
我々も複数の漁協が協力して、同じような取り組みができないものでしょうか?
(新潟県・吉田さん/仮名・65歳)
長崎一生
さかなの会代表
漁業を目指す人向けの研修制度は、人に相談したり、インターネットで情報発信してみましょう
漁業担い手育成を目的とする「とくしま漁業アカデミー」は、徳島県の水産振興課と公益財団法人徳島県水産振興公害対策基金が中心となって開催しているようです。
漁師を目指す研修生が全国各地から集まって、座学や実習など充実したカリキュラムで漁業就業までをサポートして実績を上げています。
同様の取り組みとして、京都府漁業者育成校「海の民学舎」があります。こちらは、京都府や自治体・漁協などで構成される海の民学舎運営協議会によって運営されています。
このように、これから漁業を目指す人に向けた研修制度は、行政が運営している例が多いので、まずは県の水産課に問い合わせしてみてはいかがでしょうか。
また、提案や陳情も有効かもしれません。ただしこのような場合、それなりに費用がかかることは容易に想像できます。ですから、漁業関連の予算が下りにくい自治体の場合は一筋縄ではいかないかもしれません。
ただ、今思い描くことが困難でも、担い手を確保すること、漁業技術を次の世代に伝えることはできるかと思います。
今は、インターネットを利用すれば、誰でもYouTube(ユーチューブ)やSNSなどで情報を拡散できますし、無限の可能性があります。
インターネットに不慣れでも、身近な詳しい方に相談するのも手です。いずれにせよ、まずは人に相談したり、情報を発信したりすることから始まると思うので、そのどちらかをしてみてください。