定置網漁をしています。当たり前ですが、操業中は危険と隣り合わせなので気が抜けません。
これまでにも、ロープや網を巻き上げるときに手を挟まれたり、網が足に絡まり海に転落するといった事故に合う漁師をみてきました。
自分も年をとったので、慣れや体の衰えに気をつけなければいけないなと感じています。
改めて、事故防止のために船上で気をつけるべきこと、防止する方法を教えてくれませんか?
うちの船にも若い漁師がいるので、そういうことも教えていかなければいけないなと思っています。
(青森県・塩村嘉人さん/仮名・75歳)
武田誠一
東京海洋大学教授
整理整頓をして足下周りに注意を!単純明快なルール作りもおすすめです
質問者様の船の大きさや漁法についての詳細は不明ですが、とにかく常に細心の注意を払うことに尽きます。
私が知っている漁船の安全対策や、ご要望に合いそうな対策をお伝えします。
まず、漁船の中などでは、ローラーや乗り降りする場所など、危険が想定されるところに目立つ色を塗るのがいいでしょう。
黄色などだと、注意喚起をするのに有効です。それから、可能な範囲で手すりを設置する、滑り止めの歩み板を使用するなども良いでしょう。
さらに、作業中は動くものに注意が行ってしまうものです。そのため、作業場所の周りに不要なものがあっても意識がいきにくく、足が取られるなどの恐れがあります。
特に足下周りには細心の注意を払ってください。最低限の整理整頓は漁師にとって大事なことです。
これらの安全ルールは、頭で理解しているつもりでも個人差があるものです。そのため、例えば小・中学生にでも分かるような単純明快なルール作りと周知を徹底することを、個人的にはご提案したいです。