私は長崎県の巻き網漁師です。
私たちは漁場を探す際に、魚群探知機やレーダーなどで魚が群れをなしているポイントを探します。
ポイントを見つけたらそこに下見に行き、良い漁場かを見定め網を投げます。
このような手順で漁をするのですが、漁場探しの際、下見に行く船と本船とで無線を使ってやり取りをしています。
しかし、この無線が他の漁船にジャックされることがたびたびあります。
盗んだ情報をもとにポイントに先回りされ、漁場をとられるのです。
無線ジャックすることで、下見に行く手間や燃料代をかせいでいるのだと思います。
同僚のなかには「仕方なかろ」と、無線ジャックされることを諦めている人もいます。
しかし、私としては嫌な気分になりますし、漁獲量や売り上げにも関係する情報なので困っています。
無線ジャックされない対策法を教えてください。
(長崎県・曽我孝弘さん/仮名・40代)
武田誠一
東京海洋大学教授
無線ジャックの対策は、情報の暗号化やアマチュア無線の使用をおすすめします
無線ジャックを避けるにはふた通りの方法が考えられます。
ひとつ目は、情報の暗号化になります。情報として緯度・経度を用いるならば、その内容を暗号化するという方法になります。
情報を暗号化していれば、たとえ無線ジャックされたとしても、漁場をとられることはないはずです。
もうひとつの方法は、アマチュア無線を使用するというものです。
アマチュア無線を使うことで、多くの漁業者が使用する周波数とは別の周波数を使用できるため、無線ジャックを避けられるではないでしょうか。
ただし、アマチュア無線の免許を取得し、それ専用の機器を設置しなければなりません。
操業海域がどの辺りなのか分かりませんが、アマチュア無線でやり取りできることも重要となります。
手間暇などを考えると、まずは情報の暗号化から始めてみてはいかがでしょうか。