家族でのり養殖をしている者です。
最近、のりの不漁で価格が上がってしまい、若い人ののり離れが深刻になっていると聞きました。
こうした状況が続くと、のり養殖自体が廃れていくのではないかと心配しています。
うちも年々収入が減ってきていますが、出ていくお金も何かと多く、経営や家計に余裕がない状況です。
普通の会社なら銀行から設備投資として融資を受けたりできるのでしょうが、我々はそうもいきません。
漁船の修理や、網や支柱などの漁具、作業場のための土地を買ったりと、常にお金が必要な状況、いくらあっても足りていないのです。組合や行政からの融資はありますが、高齢なので貸していただけないことも多いです。
そこで、漁業経営に詳しい専門家に融資についてアドバイスをいただいたり、相談したいのですが、そういったサービスはありませんでしょうか?
(福岡県・池畑大介/仮名・68歳)
馬場 治
東京海洋大学名誉教授
漁協などで資金やローンを調査。中小企業診断士による経営診断も有効です
どのような資金が必要なのかにもよりますが、漁協組合員であれば、漁協や信漁連支所などの窓口で、国や県などの融資制度がないかを尋ねることから始まります。
漁協や信漁連では、事業や生活に必要な資金、マイカーローンや教育ローンなどを取り扱っています。
しかし、こうした融資を受けるのが難しいということもあれば、残される手立てとしては経営診断があります。自治体によっては、経営のスペシャリストである中小企業診断士による無料相談を実施しているところもあります。
さらに、自分で経営状況の自己診断をすることも有効です。経営状況といっても、難しく考える必要はありません。収入と支出を項目ごとに細かく記録して、その推移を見て、どこに無駄があるのかを探ることから始めます。
細かく記録するというのは、日々記帳し、それを整理することです。この作業を行うだけで、無駄な経費が見えてくることがあり、その結果経費が削減できて、利益が生まれやすい経営体質に変化することもあります。