数年前に移住して露地野菜の農業を始めました。その際にお世話になった先輩農家さんのススメもあり、JAの組合員になって直売所部会に参加しています。
ほとんどの販売農家の人が、この部会に加入しているからです。
しかし、最近JAの組織改革があって、支店や支所などの統合が進み、営農センターも1カ所のみになってしまいました。
以前は肥料や資材を注文すれば、即日で在庫を配達してくれていたのに、人員削減が進んだために、すぐに配達してくれません。
JAの資材は全体的に価格が高いので、最近では近くの園芸資材店を利用しています。
販路も独自の販売ルートができ始めているので、JAの直売所に出荷する機会も減ってきました。
そのため、直売所部会に参加する必要性も薄れてきているのです。
ただ、今後ハウス栽培も取り入れて規模の拡大を検討しているので、融資を受けるためにJAを利用できないかとも考えています。
通常、組合員だとJAではどのような経営支援が受けられるのでしょうか。
(山梨県・鈴木俊一さん/仮名・30代)
伊東悠太郎
水稲種子農家
JA組合員のメリットをどう作り出すかは自分次第。コミュニケーションの機会を増やすための工夫を
最近よく「○○のメリットは?」という質問を見聞きするような気がします。例えば「JA青年部に入るメリットは?」というようなものですが、メリットをどう作り出すかは自分次第という気がしています。
支店や施設の統廃合は、実はJAグループに限った話ではなく、一般企業や団体でもどこでも起こっていると事象だと思います。
その流れに加えて、人手不足がますます深刻化していく時代ですので、これまでと同様のサービスを求めること自体が無理があるように思います。
ご相談内容にある「注文したら即日配達」というサービスも、今後は維持するのが大変な負担があるだろうなと想像します。
例えば購買事業については、「当用買いをしないようにするにはどうするか?=あらかじめ必要な時期に必要な量はわかっているはず⇒予約購買を行う」というような考え方に切り替えていく必要があるようにも感じています。
販売については独自ルートを開拓されているようなので、そちらがメリットが大きいということであれば、それで良いのではないかと考えます。
販売事業については、端的にさばける量や単価、手数料等による部分で左右されてしまうので、経営面積が増加した場合など、状況が変わればJA出荷のメリットが再び出てくるかもしれませんね。
メリットというと、端的に「高い・安い」という話に行きつきそうですが、質問者の方が抱える不満は、サービス低下に対するものというより、職員とのコミュニケーションが減っていることによるものだと感じました。
そうなると、これまでの仕組みを根本的に変えていくような提案をしていくことも必要でしょう。例えば、これも購買事業で言えば、「WEB発注」のような仕組みです。
これまで紙の注文書でやっていたようなことや職員へ電話で頼んでいたようなことを無くしていく努力も必要でしょう。
職員の非効率な作業をどんどん減らしていく提案を通じて、JAに本来期待している業務や役割に注力しやすい環境を作ってあげることで、コミュニケーションにかける時間が生まれます。
その対話のなかで、組合員のメリットを感じることができるものが出てくるのではないかと期待しています。
参考までに最近読んだJAについて書かれた記事を紹介します。