底引き網漁をしており、父の船に乗っています。
こちらでも漁業は衰退する一方ですが、何とか守っていくためにできることはないかと考えているところです。
県でも支援制度を始めたおかげで、県内外から漁師志望の方が来ているという話も聞きました。
少しでも興味があるならぜひ体験していただき、気に入ってもらえば積極的に受け入れていかなければと思っています。
しかしながら、何しろ田舎の漁村なので、新規就業者がいたとしても生活の拠点である住む場所がありません。
今の若い人で単身者なら、住まいはやっぱりワンルームのマンションとかアパートが良いのでしょうね。
もし家族連れなら、ファミリータイプのマンションや一戸建てでしょうか。
今後、漁師の希望者であったり、研修生を受け入れたりするようなことがあれば、彼らの住居はどのように用意すれば良いでしょうか?
(山形県・野本義之さん/仮名・40歳)
馬場 治
東京海洋大学名誉教授
地元や近隣自治体、漁協などと連携し、時には窮状を訴えておきましょう
新規漁業就業(希望)者が生活する基盤となるのが住居ですから、重要な案件です。地元自治体が住居を確保したり、費用を助成したりしている場合もあるでしょうが、まったく期待できない場合もあるでしょう。
ですが、自治体にとって漁業が重要な産業であれば、公営住宅の空き部屋を確保してもらうように努めるなど、一度自治体への相談してみるという手はあります。
地元になくとも隣接自治体に公営住宅などがあれば、地元自治体から隣接自治体に掛け合ってもらうなどと、アプローチ方法はありそうです。良い返事が期待できなくても、とにかく漁業側の窮状を訴えておく必要があります。
場合によっては、漁協が補助事業などを使って住居を確保することがあるかも知れません。それもかなわないとなれば、漁業経営者が自前で確保していく必要があります。
全国的に空き家が問題になっているので、不動産業者や土地、住居所有者などと連携しながら解決方法を探る方法があるかもしれません。