広島県で無農薬で作ったお米を中心に作りつつ、養豚も手掛けております。
以前からもみ殻を有効活用したいと思っていたのですが、先日「もみ殻くん炭」と「もみ酢」作りに挑戦しました。
「もみ殻くん炭」は家畜の飼料に混ぜ、「もみ酢」は稲作で活用する予定です。「もみ酢」は50リットルほど採取でき、初めてにしては上出来だと喜んでおります。
「もみ殻くん炭」を飼料に混ぜる割合は、以前から市販の「くん炭」を利用していたのでだいたいわかるのですが、気になっているのが「もみ酢」の希釈倍率についてです。
殺菌の場合は高濃度で、成長促進の場合はかなり薄める必要があるという基本的なことはわかっていますが、自分が作った「もみ酢」の持っている成分や能力がわからないまま使うのは不安です。
自作の「もみ酢」を分析したいのですが、どうすればいいのか教えてください。
(広島県・村上さん/仮名・40代)
岩谷宗彦
日本木酢液協会
成分分析は工業技術試験場で行うことができます
自分で採取したもみ酢や木酢液、竹酢液などの資材の成分分析をしたい場合には、都道府県の工業技術試験場などに検体を持ち込むと、ガスクロマトグラフ~質量分析計(GC-MS)という分析機器を使って有料で分析してもらうことができます。
ただ、実際に圃場で使用する場合、どこまでの精度を要求するのかということになりますが、不純物質がなければもみ酢として圃場で使用する分には問題がないかと思います。
通常、もみ殻の場合には低い温度で炭化しますが、その場合、煙の温度が80度から150度の範囲内であれば、科学的な知見として不純物が検出されることはまずありません。
これを超えて高温で炭化させた場合には、ベンゾピレンのような発がん性物質が生じる可能性があります。
まずは成分分析を依頼する前にもみ酢液の基本的な特性、すなわち、pH、酸度、比重の3点について分析を依頼してみてください。
pHは1.5〜3.7、酸度は2〜12%以上、比重は1.005以上という規格を満たしていれば、純正品としての認証を取ることもでき、安全に使用することができます。
もし、どれかひとつでもこの範囲内になければ、その際にさらに詳しい成分の分析を依頼して、不純物質の有無を確かめてみると良いでしょう。
なお、自分で採取したもみ酢については、耐酸性の容器に入れて90日以上静置して、上層の軽質油、下層のタール分を除去した中層部を使用しましょう。分析に出す検体もこの部分を使用してください。