野菜を育てている、神奈川県在住の40代です。
神奈川県というと横浜や川崎をイメージする人が多いかもしれませんが、私の街は過疎化が徐々に進んでおり、地域活性化のために何かできることはないかと考えることが増えてきました。
コロナ禍なので難しい時期ではありますが、コロナ終息後を見据えて、たくさんの人に街へ訪れてもらおうと、アイデアを模索中です。今考えているのは、キャンプブームの高まりに絡めて、アウトドアと農業体験をセットにした企画です。
調べてみると、農林水産省が、農家や漁村に宿泊しその土地の食事や体験を楽しむ「農泊」を推進していると知りました。「農家民宿」というのは聞いたことがありますが、農泊とは違うものなのでしょうか?
地域活性化のために、野菜の収穫体験や梨狩りなどのイベントなどを提供して、たくさんの人に来てもらいたいです。
(神奈川県・権藤さん/仮名・43歳)
高田裕司
日本プロ農業総合支援機構(J -PAO)上席コンサルタント
農泊とは農山漁村滞在型旅行のこと。条件次第で補助金の対象になります
「農泊」とは、伝統的な生活体験や農山漁村地域の人々との交流を楽しむ「農山漁村滞在型旅行」のことです。
宿泊施設のスタイルには2種類あり、旅館業の許可を得て行う「農家民宿」と、旅館業ではなく住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づいて行う「農家民泊」です。ちなみに「農泊」は商標であり、使用する場合は農水省に申請が必要です。
質問者様はご自身だけではなく、地域全体での取り組みを希望されていますよね。アクセス良好な首都圏という立地条件に頼ることなく、しっかりと魅力ある地域の特色を活かすことが、お客様を呼び込むために必要になってくるでしょう。
こうした地域全体の取り組みに対して、農林水産省は「農山漁村振興交付金」という補助金を用意しています。補助金を受けるには、中核団体(法人)と市町村、農林漁業者、宿泊業、観光業、旅行業などの地域協議会を作ることが前提となります。
農泊については、農林水産省がソフト(地域協議会の運営経費、コンテンツの磨き上げ、人材採用など)とハード(滞在施設や交流施設の整備、宿泊施設の改修など)について補助を出しています。
公募に応募して採択される必要がありますが、令和3年4月の時点で全国583もの地域が農泊推進対策補助の採択を受けて取り組んでいます。ぜひ、こうした事例も参考にしてみてくださいね。