宮城県南三陸の漁師が震災後、ボランティアに漁を手伝ってもらったことをヒントに、漁を観光事業化する「ブルーツーリズム」というものを立ち上げたとニュースで見ました。
ホタテや牡蠣の養殖業の体験をしてもらい、漁業体験を楽しんでもらうそうです。また、その場で試食してもらい、気に入った方にはインターネットで購入してもらうそうで、とても良い取り組みだと思いました。
私は長崎県で養殖業をしているのですが、私たちもできるのであればやってみたいと思っています。
しかし、ブルーツーリズムのような観光業はやったことがないので、どうすればいいのか分かりません。
観光事業を始めるうえで、必要となる許認可を教えてください。
(長崎県・菊池さん/仮名・30代)
NPO法人イドバタ
NPO法人イドバタ
養殖業を観光事業化するためには、まず自治体の担当者に相談しましょう
観光業と一次産業の連携は、地域を活性化させる策として、取り組めるのであれば取り組んだほうがいいテーマですね。
一次産業の観光事業化に取り組むに当たり、現地集合・現地解散であればよいのですが、バスツアーや宿泊込みのツアーを手配する場合には、旅行業の免許が必要になります。
旅行業務とは、旅行の相談に応じ、旅行者と運送・宿泊・その他関連サービスの提供機関の間に入って、旅行者がそうしたサービスを受けられるよう、旅行を企画または手配する業務に該当します。
漁船に乗せてクルージングを行うような観光事業の場合、船長は「特定操縦免許」を取得してから、「海上運送法」の規定に基づく許可や届け出をする必要があります。
さらに、養殖した水産品を飲食店で提供するのであれば、衛生上「飲食店営業許可」を保健所に届け出る必要があり、消防上「防火管理者選任届」を消防署に届け出る必要があります。
そのため、どんなブルーツーリズムを行うかにより、必要になる許認可が変わってくるのです。必ず実施する前にどんな許認可が必要になるのか、公的機関に確認しましょう。
また、NPO法人イドバタでもご相談に乗ることは可能です。しかし、まずは観光事業を管轄している自治体の担当者に相談されるのが良いかと思います。