茨城県取手市で470平方メートルの田んぼと、253平方メートルの畑で米と梅の兼業農家を営んでいます。
稲作はコシヒカリを栽培していて、農地は都市近郊にあり、周辺にはベッドタウンが広がっています。
現在、田畑は半年ほど休ませているのですが、休ませつつ、別の作物を栽培して、農地を効率的に使いたいと考えています。
何かできないか調べていると、筑波大学が中心となって水田でバイオ燃料の原料になる微細藻類を栽培する実証実験を行っていると知りました。
もしこの実験がうまくいって、うちの農地でも微細藻類を栽培することができるのであれば、農地転用の許可が必要になるらしいので、採算性について詳しく知りたいです。
また、梅畑も梅の収穫後、梅しめじ(ハルシメジ)の栽培を考えていますが、森林総研に相談したところ、除草剤は使わないようにして、下草狩りを行い、ハルシメジの自然発生を待つように、といわれました。
可能であれば自然発生を待つのではなく、梅しめじの菌糸を手に入れる方法も教えてください。たとえば、梅しめじが自生している場所から移植できるとありがたいです。
(茨城県・鈴木さん/仮名・60歳前半)
仲野真人
株式会社食農夢創 代表取締役
栽培は難しいと思いますが、場所を活用することで採算を取る方法もあります
田畑を休ませている間の有効活用は生産者にとって収益アップにも繋がるのでぜひ検討したいところですよね。
生産者さまが興味を持たれている微細藻類やしめじなどは私の専門外ですが、微細藻類の栽培については、大学で実証実験中だということもあり、その結果を待ってからでも、導入を検討するのは遅くはないのではないでしょうか?
梅しめじは森林総合研究所の専門家が「自然発生しかない」と言っている以上、菌糸の入手は難しいのではないかと思われます。
そのうえで、現実的に私がアドバイスできるのは、次のふた通りの方法です。
1、田んぼでの裏作
2、梅畑のそのものの活用
田んぼでの裏作としてはブロッコリー、レタス、キャベツなどの栽培が行われているようです。
梅畑そのものの活用方法としては、梅が実を作る前につける花がポイントになります。
その花を見る「花見」イベントや「花見をしながらのバーベキュー」などが開催できると、畑の有効活用になるのではないでしょうか。
生産者は固定概念として栽培した農作物だけを商品として考えてしまいますが、それ以外にも、その場所での「体験」などが価値になることがあります。
そういった目線で改めて見つめ直していただくと、新しい価値が生まれるかもしれません。