千葉県でいちごを中心に、季節の野菜・果物の栽培・販売をしています。
来春あたり、地域イベントに出店する予定です。せっかくなので、いちごを可愛らしいパッケージで販売したいと考えています。
そこで農産物に特化したパッケージ会社(印刷会社)を探しています。
もしかすると、お菓子専門のパッケージ会社に頼んだ方がオシャレなものができるかな?なんて個人的に思ったりもしています。
また、うまくいったら毎年1月~春先のいちご狩りでも活用したいと思っています。
長い目で見た場合、地元の印刷会社に相談する方がいいのかもしれませんね。
しかし、問題はコストです。
例えば、オリジナルでケーキ箱のようなものを作るとしたら、どのくらいの費用がかかるでしょうか。
あまりに高額だと現実的には厳しいと思っています。
その場合、あまりコストをかけずにオシャレにパッケージできる方法を知りたいです。
(千葉県・丹羽裕一郎/仮名・40代)
本多英二
aula brand design(アウラブランドデザイン)
パッケージの方向性は、お客さんの求めているものを把握してから作りましょう
販売場所は「地元の生産者が集まる地域イベント」ですから、品物は各生産者さんが持ち寄った野菜や果物でしょう。
お客さんのお目当ては収穫したばかりの新鮮なもの、お値打ち品など、近所のスーパーには売っていない“この場所ならではのもの”のはずです。
それならば包材やデザインに凝るよりも鮮度やお値打ち感を強く出した方が「お客さんが狙っているもの」に近くなり売れやすくなります。
お客さんの属性(求めているもの)が見えてきたところで、適したパッケージについて、いきなり結論です。
それは「ビニール袋や紙袋に手書きの品名、生産者名シールを貼り(ご自宅のプリンターを使ったラベル印刷で充分)、ざっくりとした手作り感を出す」が答えになります。凝ったパッケージ=売れるとはなりません。
どのようなお客さんを相手にするかによって、パッケージの方向性は大きく変わります。
例えば、自分で描いた絵とヘタクソな文字をカラーコピーして袋に巻き付けただけの乾しいたけのパッケージですが、これが道の駅で良く売れるのです。わざわざ印刷会社に依頼しなくてもここまでできてしまいます。
また、包材にコストをかけないことは、商品は中身正味の値段であり、お買い得という消費者感覚にもつながります。地域イベントにおいては、簡素に仕上げる方向がいいでしょう。
「小ロットで依頼する」うえでのコスト感ですが、包材費用は「売価の10〜15%」に収めるというのが基本です。300円の売値なら30円という感じですね。このことからも、安価なものほど簡素に(シンプルと貧相とは紙一重なので注意)仕上げなくてはなりません。
地元の印刷会社様に相談するのは難しいでしょうね……。 なぜならば、印刷会社=販売プランナー&パッケージデザイナーではないからです。
内部に優秀なスタッフがいるかどうかも判りませんので賭けでもあります。「できますか?」と聞けば、自信がなくても「できます!」と答えるのが営業です。残念ながらアテにはなりません。印刷はできても「売れる商品」ができるかは疑問です。
よくある話ですが、お知り合いやお友だちに依頼するのも要注意です。関係が近いがゆえに思ったことをハッキリ言えない状況になり、もやもやした状態で進んでしまうのもよくある話です。
「農産物に特化したパッケージを扱う会社」や「農産物に特化したパッケージデザ
イナー」に出会うには、実績のある人材が集まるサポート機関に相談されてはいかが
でしょうか。
たとえば「特定非営利活動法人 日本プロ農業総合支援機構」は一次産業の支援(資金、人材、販売)に特化した組織です。
もし日本政策金融公庫とお付き合いがあれば、問題解決支援という枠組みの中で、ご相談者さんのお悩み事解決に最適な専門家を派遣してくれます。
また、「公益社団法人日本パッケージデザイン協会」は、パッケージデザイナーを束ねる日本最大の組織です。入会には厳しい審査があり、一定レベル以上のデザイナーが会員となっています。
会員紹介ページから作例を見てイメージに合うデザイナーにアプローチされるのがいいでしょう。
本格的にデザインやブランディングをお考えならお役に立つと思います。検討してみてください。