山梨県で果樹園を経営している50代です。最近は自治体のサポートもあり、若い世代の就農希望者が増えてきています。
とくに山梨県や長野県は首都圏に近いこともあり、人気が非常に高いようです。
自治体だけではなくJAやNPO法人も積極的に新規就農者向けの支援を行っており、私のところにも協力依頼がきました。
年齢的にも仕事がだんだんときつくなってきたタイミングでしたので、現在は研修という形で20代の若者たちを5名受け入れています。
素直でいい子たちなのですが、困ったことが起きてしまいました。
全員から「1ヶ月前までには月間のシフトを出してほしい」とリクエストされてしまったのです。
そもそも農家の仕事は天候に左右されますし、事前にシフトを決めておくことなど不可能だと思っています。かといって、無視するわけにもいきません。
農林水産省も「働き方改革」が求められていますし…。具体的にどのような対応をするのが望ましいのか見当もつきません。
(山梨県・望月さん/仮名・50代)
清水 寅
ねぎびとカンパニー
シフトを採用したとしても、普段からコミュニケーションを大事に
家族であれば別でしょうが「こちらの都合のよい時だけ休んで下さい」という要望を了承する従業員はあまりいないかもしれませんね
それは仕方のないことだと思います。ご相談のような状況の場合、従業員の要求を却下できないのであれば、やはりシフトを採用するしかないと思います。
しかし、農家の仕事は天候に左右されてしまうことは誰でもわかることです。本来は天気とうまく付き合っていくことが必要です。
そういった考えが受け入れられなくなってきているのも事実でしょうが、日常から「忙しい時は出てくれないか」などのコミュニケーションをとっておくことは凄く大事だと思います。
当社でもそういうケースは多々ありますが、コミュニケーションを密にすることで、「忙しい時は出るよ!」という方も中には出てきてくれます。
今回のような場合、
・あまり稼がなくてもいいけど、忙しい時は手伝ってくれる、という人を探しておく。
・スケジュールに融通がきく人を採用していく。
・シフトというよりも、基本的に従業員によって休みの曜日を決めてしまう。すると何曜日が人が足りない、と分かるようになるので、その日だけ働ける人を募集する。
というような、事前の対応策が考えられます。
当社だと日曜休みを希望する人が多いので、「日曜だけ・午後だけ」といった形で手伝ってくれる人などを積極的に採用しています。人の足りていない曜日だけ働きたい人は意外と多く、雇用される側も勤めやすいようです。
最後は人間関係となってきます。できるだけ円滑に作業を進めるためにも、さまざまな対応策を考えつつ、前向きに対処していってください。