土づくりにこだわり、自然環境へも配慮した農園を運営しています。いたらないことも多いのですが、ECショップでの販売も早い時期から行っていました。
しかし数年前から多くの農家がECショップで販売をはじめ、危機感を覚えています。このまま続けていってもジリ貧になってしまう気がしてなりません。
なんとかしようと、自社独自のECショップを立ち上げたのですが、なかなか軌道に乗りません。全然うまくいかないので、自信もなくなってきました。
先日、異業種交流会でお菓子メーカーの社長さんにECショップ販売について相談してみると、「競合分析とか市場調査、効果測定はどうやってますか?」と聞かれました。
たしかに考えてみるとサイトでは自分のPRばかり考えていたので、初心に戻って競合の分析から始めたいと思います。
そこで、ECショップの競合分析の方法やコツを教えてください。
(埼玉県・川島さん/仮名・50代)
山下弘幸
株式会社農テラス代表取締役、農業経営戦略家
EC販売の成功セオリーは「4つのPの視点」で分析と効果測定を繰り返すことです
競合分析の方法ですが、つぎの「4つのPの視点」で競合他社と自社を比較してください。
まず最初の「P」は商品の基本となる「Product(製品・サービス)」です。
他社の商品を購入して、『見た目・包装、サイズ・香り・品質・味』などを自社商品と比べてください。自分たちがどのような価値を提供しているか、リアルな感想が浮かんでくるはずです。
つづいて「Price(価格)」です。
サイトを眺めて見比べるのではなく、実際に『他社商品の価格をリスト化』して自社との差額を調べてみましょう。
3番目の比較ポイントは「Place(販売場所・提供方法)」です。
同じようにネットで販売するECサイトの場合は、どのような形で商品を提供しているかで左右されます。
まず、なんといっても『サムネイル(掲載写真)』が命です。他社と比べてどちらがクリックしたくなる商品写真かをチェックしてください。
さらに『商品ネーミング』も重要です。例えば「おいしいみかん」と「潮風に吹かれた太陽みかん」だった場合、後者の方をクリックしたくなるのではないでしょうか。
もし判断がつかない場合、家族などから率直な意見を聞いてみるのもいいでしょう。
ラストは「Promotion(販促活動)」です。これはプロフィールのことです。時間をかけて作り込んでください。
ポイントはあなたがどんな想いでその商品を作っているかというストーリーです。ただし、独りよがりではダメです。
比較のポイントは以上の4つです。EC販売の成功にはそれなりにセオリーがあります。
紹介した4つの「Pの視点」での分析を行い、実際にアクションを起こします。その後、注文数やアクセス数がどう変化したのかの効果測定を行います。
これを繰り返すだけで確実に売り上げは伸びていきます。