野菜作りをしている農家です。少量多品目ですが、50アール程の圃場を管理しています。
現在、就農3年目になりますが、これからどんどん圃場を拡大していきたいと考えています。
しかし、私の圃場がある京都府の中南部はほとんどが水田地帯で、土壌改良をしなければいけません。
私の畑では主に緑肥を利用した土壌改良と排水対策を行っています。
毎年、ソルゴー(ソルガム)やセスバニアといった緑肥を利用しているのですが、緑肥はトラクターですき込みづらく、モアーなどを近所で借りて行っています。
ソルゴーやセスバニアと同じくらいの効果があり、土にすきこみやすい緑肥はないのでしょうか?
(京都府・野下さん/仮名・20代)
和田美由紀
雪印種苗株式会社研究開発本部
ソルゴー(ソルガム)の場合、一度トラクターでなぎ倒してからロータリーを掛けると作業機の負担が軽くなります
セスバニアの最大の特徴は、湿害にあうような圃場でも健全に生育し、根を張って土壌の透水性を高めてくれる点です。
また、セスバニアはその昔、繊維源として栽培されていたこともあるくらいに茎の繊維分が多く、草丈の高さよりも作業機への絡まりがすき込み時のネックになっているのではと思います。
ゆえに、すき込み前の細断は必ず行ってください。
ソルゴー(ソルガム)は草丈が高くなるものの、セスバニアのように繊維質が絡まるというのは少ないと思いますが、バイオマス量の多さからすき込み前の細断処理を推奨しております。
ただし、ロータリのみによるすき込みをする場合、すき込み作業をしながらトラクターを走行させるのではなく、一度ソルゴーをトラクターでなぎ倒して、葉先側からロータリを掛けると作業機への負荷がそこまでかからないようです。
その際のトラクターは20馬力以上のものを推奨しております。
セスバニアやソルゴーよりもコンパクトな草姿の緑肥作物として、テフグラス(イネ科)があります。草丈は最大でも80cm程度です。
根の伸長は地上部の生育に比例しますので、セスバニアやソルゴーと同等の物理性改善効果は期待できないかもしれませんが、耐湿性が高く、水田地帯でも栽培できる緑肥として、有機物補給の観点で導入を検討されてはいかがかと思います。