露地栽培で多品種の野菜(トマト、ピーマン、にんじん、玉ねぎ、なす、かぼちゃ、きゅうり、バジルなど)を育てています。
できるだけ自然の力を引き出した農業をするのが私の理想です。
畑を休ませるときには害虫を減らすことを目的に、イネ科の「エン麦」とマメ科の「赤クローバー」という組み合わせで栽培し、すき込んでいます。
しかし、最近少し収穫量が落ち気味になってきているのが気になっています。
そこでずっと同じパターンで栽培してきた牧草を変えてみようと考えています。できれば肥沃(ひよく)が上がるような組み合わせにしたいです。
以前から稲作農家の友人に、水田の作付け前に「ヘアリーベッチ」を使っていると聞かされていたので、いまはそれを使ってみようかと考えています。
しかし、ヘアリーベッチが最適なのかどうかわかりません。
収穫量アップにつながるような牧草の組み合わせを教えてください。
(長野県・小林さん/仮名・40代)
和田美由紀
雪印種苗株式会社研究開発本部
作付前のヘアリーベッチは窒素を供給してくれるので、次の作物の収量増につながります
緑肥と牧草は、使われる草の種類が共通していることが多いため、牧草と称する方もいらっしゃいます。
多品目栽培の場合、圃場の場所を同一品目で固定していない限り、それ自体が輪作をしていることと同じなので、特定の土壌病害などに悩まされていることは少ないのではないかと思います。
しかしながら、同じような時期に同じような作物をつくるローテーションですと、何かしらの偏りが出てくると思いますので、野菜休閑期の牧草の種類を変えてみるというのもひとつの選択肢だと思います。
水稲作付前のヘアリーベッチは窒素の供給を果たし、後作物の収量増につながります。
ヘアリーベッチは秋播きもしくは春播きが可能な緑肥です。
エンバクと作型は似ているので、そのまま置き換えが可能です。
ご相談者さんは、もともとエンバクと赤クローバーを混播されているようなので、赤クローバーをヘアリーベッチに替えるという方法でも良いと思いますよ。