親子2代で野菜作りに励んでいる40代農家です。
年間を通して旬の野菜を生産しながら、大半は組合や市場に出荷しています。
最近は、私の意向で新しい品種にも挑戦し、納得のいくものができています。
その中で、時代の流れを考えると、外食や小売、仲卸などの、事業者との直接取引に魅力を感じています。
品質には自信がありますし、何しろ手に取ってもらったり実際に食べていただいたりすれば、きっと満足していただけると思います。
とは言っても、実際にはそのような機会はほとんどないのが現状です。
私は電話とFAXで注文を受け付けているので、パソコンを使って新しい販路を開拓している農家に後れを取っているのではないかと、危機感を持っています。
私のように販売先を探している農家と、仕入先を探している事業者をつなげるサービスなどがあれば教えていただきたいです。
あまり、経費や手間をかけずにできるとうれしいです。
(和歌山県・永富さん/仮名・40代)
仲野真人
株式会社食農夢創 代表取締役
「アグリ―チ」や「インターネットマッチングサービス」などを活用しては
確かに、時代の流れとして生産者と外食・小売等との直接取引は増えていますね。事業者、生産者ともに、産地から直接仕入れたいという意向が強くなっているのが現状です。その一方で、生産者にとっても事業者にとっても、取り引き先と知り合う、つながる機会がないという声を聞くのも事実です。
ただし、外食や小売といった企業との「BtoB取引」(事業者同士の取引)は、量や品目など、取引条件に厳しい事業者も多いので気を付けなければなりません。
ご要望のマッチングサービスについては、公益財団法人流通経済研究所が運営している「アグリ―チ」や、日本政策金融公庫が運営する「インターネットビジネスマッチング」などがあります。
また、2020年度には、コロナ禍での生産者と外食産業とのマッチングとして、株式会社ぐるなびが「ぐるなびFOODMALL」を開設しておりましたが、これは農林水産省の事業として運営しており2021年2月で終了しました。こちらは、今年度も行う可能性があるのではと期待しているところです。
いずれにしても、大事なポイントは、直接販売では「どこ向け」「誰向け」に売りたいかが重要になってくるということです。食品企業なら加工用、小売であれば青果用、外食産業なら調理用などと、用途が変わってきます。ご自身で「どこに向けて売りたいか」をイメージできていないと、登録してもなかなかマッチングは進まないので、参考にしていただければ幸いです。