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2年で廃鶏される採卵用のニワトリ。有効活用する方法はありませんか?

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2年で廃鶏される採卵用のニワトリ。有効活用する方法はありませんか?

北海道でエサにこだわり、平飼いで有精卵を生産している養鶏農家です。この仕事を30年以上やってきましたが、いつも虚しく感じることがあります。それは廃鶏です。

まだまだ健康であっても、鶏は歳をとると卵をうまく産めなくなります。ツルツルだった卵殻に異常が出てきやすくなるのです。見た目は良くない殻でも、味は変わりません。しかし、商品にはなりません。

いくらエサを変えても、こればかりはどうにもなりませんでした。そのため、私たちは2年ほどで見切りをつけています。

廃鶏の肉は、肉質が固くなります。そのためミンチにされてハンバーグや肉だんごなどの加工肉やペットフードとして利用されることになります。大切に育てているからこそ、とても残念でなりません。

採卵をやられている人は同じような気持ちになっているのではないかと思いますが、ずっと変わっていません。

私も諦めのような気持ちでおりましたが、なんとか改善できないかと思うようになりました。廃鶏するのではなく、新しい試みで高齢の鶏を有効活用している実例などがありましたら教えてください。
(北海道・武内幸造さん/仮名・50代)

加藤武市

加藤技術士事務所

卵販売で経営を安定させ、負担にならない形で親鳥の販売に挑戦してみては?

私の地元、福井県には卵肉兼用種2,000羽をエサにこだわって育て、ウィンドレス鶏舎(ウイルスを持ち込む可能性がある野鳥が侵入できないよう密閉された鶏舎)で、有精卵として1個50円以上で生協、農産物直売所で販売している養鶏場あります。

さらに親鳥は生育期間が500日齢前に、鶏肉として処理してブランド鶏肉(1羽1,000円以上の値段設定)として販売しています。卵は順調に売れていますが、残念ながら鶏肉は売れ残りがあります。まだまだ課題があります。

養鶏経営全体から見た場合、もし有精卵1個50円以上に販売できるなら、卵販売を主にしつつ、親鳥の販売に挑戦するのがいいのではないでしょうか。

卵肉兼用種を飼い、産卵率の下がる500日齢を目安に、一部を鶏肉として加工販売、残りは短期間絶食処理の強制換羽(かんう)を行って機能改善させて8カ月間ほど産卵させます。

昔の焼き鳥は親鶏を使用しており、なかなか咬み切れないほど硬かったようですが、コクがある滋味あふれる高級品として人気でした。

最近はブロイラーとは異なり、噛めば噛むほど味が出るという魅力で注目されつつあるようです。

廃鶏を鶏肉として販売する場合、やはり味、価格、正肉量がポイントになります。

簡単に売れるわけではありませんので、付加価値を付ける工夫が必要です。しっかりPRを行い、販売先を確保することが決め手になります。まずは無理しない範囲で挑戦してみてはどうでしょうか。

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高木伸一

たまご博物館 館長

廃鶏を冷凍スライスや加工してスーパーに降ろしている業者さんもいますよ

廃鶏は、以前は食用として業者からお金をもらって引き取ってもらっていましたが、現在は肉が硬いことなどの理由から需要が少なく、養鶏業者側がお金を払って処分してもらうようになりました。

しかし、廃鶏となる親鳥は、味も良く、出汁を取ってもコクがあります。旨味のある歯ごたえがある肉質を好む人もいます。かくいう私もそのひとりです。

そういったニーズのために、現在でもわずかですが、肉を薄くスライスした冷凍品を扱っている業者がありますし、自社で加工して大手スーパーなどに卸しているところもあります。

私がすごいと思っている会社は、岡山県倉敷市にある「のだ初」という会社です。元々は鶏卵の販売が中心だったと思いますが、最近は広島県の大手スーパーでも「のだ初の親鶏加工品」が売られています。

一般の消費者に手軽に購入して食べてもらうには、すぐに調理できるスライス(冷凍)や開封して酒の肴として食べられる加工品がいいと思います。

他の養鶏場などと一緒に取り組んで親鶏の加工を継続的に提供ができれば、わざわざ自前で加工場を持たずとも、他社に依頼することもできるのではないでしょうか。

そうすれば設備投資のリスクも回避できます。いずれにしましても、しっかりとした計画(商品開発、加工設備、販売方法、採算性など)を立ててから臨んでください。

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あじぽん

岡山県の西部にある笠岡市には、「笠岡ラーメン」というご当地ラーメンがあります。
鶏ガラで出汁をとった醤油ラーメンで、親鶏を醤油で煮込んで作った鶏チャーシュー(現地では「カシワ」と呼ばれています)が載っているのが特徴の、全国的にも珍しいラーメンです。
笠岡市周辺は養鶏業や製麺業が戦前から盛んだったそうで、その地域性から生まれたラーメンと言われています。
歯応えがあるチャーシューは珍しいと思いますが、噛めば噛むほど旨味が染み出してきてとても美味しいです。笠岡市は小さな街ですが、全国からラーメンマニアが集まると聞きます。自分もなかなか遠くて行けませんが、数年に一度は食べに行きます。

このラーメンに使われる「カシワ」をどうにか自宅でも再現できないだろうか?親鶏ってどこで買えるんだろう?素人でも調理できるだろうか?などと考えながらネットで検索しているうちに、こちらの書き込みに辿り着きました。
自分は一次産業の関係者では全くありませんが、大学時代に地域社会学を専攻しており、卒論のテーマに笠岡ラーメンを取り上げた経験があります。今回たまたま廃鶏の問題を目にして、笠岡ラーメンの事例を紹介するためだけにアカウントを作ってコメントさせていただきました。一次産業に関しては全くの素人であり、拙い文章になってしまい申し訳ありません。これ以上の具体的な話をすることはできませんが、親鶏の活用法の一つの事例として少しでも参考になれば幸いです。

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