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設備が古く鶏の大きさが揃わない。おすすめのブロイラー用自動給餌装置は?

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設備が古く鶏の大きさが揃わない。おすすめのブロイラー用自動給餌装置は?

親の代から常時2,000羽ほどのブロイラー(国産鶏肉)を育てているのですが、エサこぼれがひどい個体は成長が遅くなってしまうため、結果的に鶏の体の大きさが揃わないのが一番の悩みです。

また、エサがこぼれると腐敗したりネズミが増えてしまったりして不衛生ですし、エサが無駄になってコストが余計にかかってしまうため、エサこぼれをなんとか改善したいです。

うちの鶏舎は設備が古いので、給餌皿の形が悪いのかもしれません。

現在は人の手で給餌しているのですが、作業の手間を減らしたいこともあり、自動の給餌装置に替えたいと思っています。

おすすめはありますか?
(埼玉県・土田さん/仮名・40代)

高木伸一

たまご博物館 館長

まず餌こぼれの原因を考え、その後、自動給餌器について考えましょう

今回の農家さんのお悩みですが、「餌こぼれ」が一番の問題のようですね。

自動給餌装置のお話の前に、まずは餌こぼれの原因分析が必要かと考えます。

現在、用いられているのは「樋型」なのか「皿型」なのか分かりませんが、原因分析として下記のことを考えてみてください。

「給餌器の数」について、羽数に対して数が少なければ、弱い鶏(例えば、雌は雄より弱い)が十分に食べられないため、生育の個体差が出ます。

「給餌器の設置高さ」。ローレベルタイプ(地面に直置き)は、オーバーヘッドタイプより餌こぼれが多いかもしれません。

設置高さを変える(天井から吊るすなど)ことで変わるかもしれません。

「給餌器の返し」〜餌こぼれを防ぐには、パンフィーダーであれば給餌皿の「返し」や大きさ、深さが適切であることが重要です。

形状に少し手を加えることで変わるかもしれません。

「餌の時間」は、餌をついばむ時間が長いと、個体によっては餌を「選り好み」して食べることがあります。

嫌いな餌をくちばしで跳ねのけて、好きなもの(例えば、トウモロコシ)を食べるのです。

これがあると、餌こぼれが多く、個体による生育の差も出てしまいます。

そのあとで、「自動給餌器」について考えていきましょう。

確かに、自動給餌にすれば作業の手間は減らされますが、設備投資というコストの問題があります。

現在の鶏舎の構造にも関わってきますが、自動給餌ですと通常は、餌用のタンクを設けて、そこからパイプを通じて餌をパンフィーダーまで搬送することになります。

このため、それらの設備が設置可能であるか(鶏舎の構造、強度など)の検討が必要です。

自動給餌器大手の中嶋製作所に問い合わせてみたところ、約2000羽のブロイラー養鶏場規模であれば、初期導入費用としておよそ100万円程度、ランニングコストは給餌器を稼働させるための電気代程度だそうです。

正確に見積もるためには、鶏舎の寸法などが必要になるので、もし自動給餌器の導入をご検討であれば、相談してみてください。

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加藤武市

加藤技術士事務所

給餌器の高さをこまめに微調整して餌こぼれを防ぎ、補助の給餌器を置くのも有効です

ブロイラー自動給餌機は、中嶋製作所、株式会社ハイテムなどから販売されていますが、性能を比較したデータがありませんので、ブロイラーを飼養している仲間に聞いてみるのがいいと思います。

ここからは、私が地鶏(肉鶏および卵肉兼用種)を生産指導した経験から述べていきましょう。

ブロイラーコマーシャル雛は、毎年、育種改良が進み、発育増体が大変良くなっています。

日ごとに増体が進み、出荷日令が早くなっているブロイラー雛の能力を、最大限に発揮させ、斉一(均等)に育成するには、毎日の給餌管理と初期の温度管理を上手にする事が大切です。

直近5年間のブロイラーのデータ(民間フィールド1社における成績に基づき推計)によると、平均出荷日齢は49日齢から47日齢に短縮されています(平成16年51.4日齢2760g、飼料要求率1.95、育成率96.3、出荷日齢49日齢。平成30年2970g、飼料要求率1.73、育成率94.4%、出荷日齢47日齢)。

このように、増体量の改良が進んでいるため、出荷日齢は 年々早期化傾向で推移しています。

次に給餌管理の注意点についてですが、御存じのようにブロイラーは、餌付けから最初の3週間のスタートダッシュが最も大切です。

良質の前期用飼料と新鮮な水を充分に摂取させるために、餌付け時、補助の給餌器と給水器を使って、雛が一斉に均一に摂取出来る様にしましょう。

餌付後5日間位までは、ペレット飼料を粗挽きした「クランブル飼料」を与えるのもひとつの方法です。

最初の2日間位は、雛の採食を良くするためにできれば紙を敷いてください。

また給餌回数を1日3回以上にして、全部の雛が毎回均一に採食できるようにすることも大切です。

給餌器と給水器の高さはとても重要ですので、こまめに調整して、高過ぎたり、低く過ぎたりすることのないようにしましょう。

給餌機の皿の中の餌は、最初は多目にしておき、雛が大きくなるに従って量を少なくすることで、餌がこぼれて無駄にならないようにします。

また、この育雛初期の食い込みが悪く、増体不足や体格が不揃いになる原因は、温度管理の影響も大きいので再確認してみてください。

ところで、ブロイラー経営をみると、1羽当たり、生産コスト466円、販売収入509円、所得43円となっています。

年5.5回餌付けをすると、大まかな年間所得が計算されます。

もちろん個々の農家の経営技術には差はありますが、常時2,000羽で、自動給餌機を導入ともなると、経費負担が大きいのではと思います。

私の県で、常時11万羽飼養規模のブロイラー経営農家が、ブロイラー鶏舎(ウインドレス鶏舎)をそのまま使って、県が開発した卵肉兼用種を2,000羽以上飼い、アニマルウエルフェアを重視しながら付加価値を高めた飼料給与し、有精卵1個50円で販売している例があります。

これにより採卵部門で700万円以上の所得を上げており、今後は鶏卵加工・鶏肉販売で販路拡大して、将来的にはブロイラー部門を縮小・廃業したいとのことでした。

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