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きゅうりが萎凋病にかかってしまった!原因と対策が知りたい

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きゅうりが萎凋病にかかってしまった!原因と対策が知りたい

昨年より新たにきゅうり栽培を始めた農家です。

初年度はなかなかの出来でしたが今年になって栽培しているきゅうりが病気にかかってしまいました。

一部の株の葉っぱが黄色くなってしまったのですが、今まで病害にあったことがないので、対処方法もわかりません。

調べてると萎凋病という病気があることを知り、症状がとても似ているのですが、これはきゅうりにも発生する病気なのでしょうか?

もし感染するのであれば、対処法を教えてほしいです。

李 哲揆

データサイエンティスト

きゅうりの萎凋障害はその原因を見極め原因に応じた対策をする必要があります

きゅうりが萎凋障害を示した時の原因と症状


きゅうりが萎凋病にかかってしまったようですが、本当に病気が原因でしょうか?

きゅうりが萎凋障害を示したときには以下のような原因が考えられます。

1、病気にかかっている
2、害虫の被害にあっている
3、生理障害が起こっている


原因を調べその結果をもとに適切な対策をすることが大事です。

今回は病害を中心にお話します。


萎凋症を示す病害


きゅうりの萎凋症を示す病害には葉にモザイク模様が見られる「モザイク病」、日中に茎頂部が枯れ、夜間に回復する症状を繰り返す「根腐病」、葉が黄褐色の斑点ができる「べと病」、葉に白い粉をまいたような模様ができる「うどんこ病」などが代表的です。

病気の主な原因はカビであり、萎凋病、うどんこ病、べと病やつる割れ病を引き起こします。

一方、モザイク病はウイルスが原因の病気です。

ただこれらの病気を複数同時に発症することもあり、病害の判断が難しい作物です。    


きゅうりが病気にかかってしまった時の対策法


病気にかかってしまったきゅうりを治療するのは難しく、残念ながら処分するほかありません。

発症株は抜き取って、ほ場外に持ち出し、焼却処分します。

病原菌は土壌中の生存力が高いため、発症した圃場は消毒を行い、再発を予防します。


きゅうりが病気にかからないための予防法


きゅうりが病気にかからないようにするためには、栽培前に対策を講じておくことが重要です。

土壌消毒


土壌消毒には農薬を使用する方法と太陽熱や土壌還元を利用する方法があります。ハウス密閉による潅注処理、土壌くん蒸処理などで農薬を使用する場合は地域のルールや使用方法に留意して行いましょう。

熱を利用する場合は、太陽熱土壌消毒や土壌還元消毒があり、栽培環境に適した方法を行います。

太陽熱消毒の方法についてはこちらをご覧ください
青枯病を太陽熱による土壌消毒で対策する方法が知りたいです



抵抗性品種を選ぶ


きゅうりには萎凋病に抵抗性のある品種が開発されているため、そうした苗を選ぶことも一つの対策です。地域で有効とされる品種を調べて検討してみましょう。


寒冷沙でアブラムシの侵入を防ぐ


きゅうり栽培では病原菌やウイルスを運ぶアブラムシへの対策が必要です。ハウス栽培であれば施設内の窓に寒冷沙を貼るなどして、できる限り侵入を防ぐ対策を講じます。

ただし、寒冷沙の使用は日射量が不足してしまう可能性があるため、使用時には注意しましょう。


その他、きゅうり萎凋障害を示す原因


きゅうりの萎凋障害には病害の他にも様々な要因があります。

たとえば水不足や肥料切れ、風や寒さ対策不足といった生理障害、タバコガやハダニといった害虫による被害があります。

株に発生した症状から原因を特定し、それに応じた対策を講じることが必要です。

このお悩みの監修者

李 哲揆

データサイエンティスト

名古屋大学大学院生命農学研究科にて博士(農学)を取得。東北大学、東京大学、理化学研究所などを経て、2018年からは東京農工大学生物応用システム科学府にて助教を務める。主な研究テーマは土壌微生物を用いた環境に優しい農法の開発。2021年4月から民間企業でデータサイエンティストとして働く。

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