300頭ほどの牛の肥育農家を宮崎県で営んでいます。
牛のエサにわらを与えていますが、購入してから次のわらを仕入れるまでの1カ月間、倉庫で保管しています。
しかし、梅雨や雨が多い日が続くと、湿気でわらにカビが生えることがあり困っています。
カビが生えた部分だけを取り除き、天気が良い日に干したものを牛に与えることがありますが、状態がいいわらと比べると食いつきが悪く、食べきらないこともあります。
また、湿気が多いわらを食べた牛が、頻繁に下痢をするなど体調を崩すことも……。
現在は、わらが届くとすぐにビニールシートを被せる対策をしていますが、完全に湿気を防ぐことはできません。
わらの湿気対策でいい方法があれば教えてください。
(宮崎県・浅田壮一さん/仮名・40代)
加藤武市
加藤技術士事務所
稲わらロールを屋外で乾燥する方法や、アンモニアを使った対策法が効果的です
稲わらを保存するには、天日乾燥して含水率を30%程度にした稲わらロールを屋外の地面に置いたパレットの上に積み上げて、それらをまとめて被覆(ビニールなどを被せる)し、屋外で乾燥させる方法が効果的です。
稲わらロールは、ポリエチレンフィルムを挟む構造のため、雨などの水分はシート内部に通さず、稲わらに含む水蒸気はシートを通して屋外へ効率的に放出されます。
しかし、含水率が30%以上の高い状態であると、カビが生えてしまうことで、牛に与えると下痢を起こすこともあるので注意してください。
また、ロールベーラーにより収集した稲わらを積み上げて、2%のアンモニアを1週間かけて添加している農家さんもいます。
通常の稲わらより牛の嗜好性が高く、カビが発生する可能性も低いです。
アンモニアの活用は、圃場等に放置されたままであった稲ワラでも飼料利用に使える処理法です。
実施するには、最寄りの畜産試験場や農業改良普及員に相談してください。