水稲(約30町歩)と大豆(約7町歩)を栽培している農家です。
飼料用のとうもろこしの輸入価格が高騰しているので、子実用とうもろこしを生産すると、補助金が増えると聞きました
そこで、子実用とうもろこしに2町歩ほど取り組んでみようと考えています。大子実用とうもろこしは、豆との輪作にも向くようなので、うまくいけば面積を増やしていくつもりです。
ただ、国内には子実用とうもろこしの専門品種がないそうで、サイレージ用のとうもろこし品種のうち、子実収量が多いものを栽培すると聞きました。
子実が登熟するまで栽培しなければいけないので、台風などの大風で倒れないか少し心配です。それに病気も気になります。
子実の収量が多くて、台風や病気にも対応できる、おすすめの品種を教えてください。
(千葉県・石井一茂さん/仮名・40代)
小森鏡紀夫
パイオニアエコサイエンス株式会社 飼料・穀物種子事業部
子実とうもろこし「P1184」は、関東圏で比較的遅い時期に播種をする際におすすめです!
千葉県にお住まいということですので、当社で取り扱う「P1184」という品種はいかがでしょうか。
海外(欧州)から導入された品種ですが、関東圏で比較的遅い時期に播種をする際にご提案している品種です。
おすすめする理由は、収量が多いことは言わずもがなで、虫害に強く、カビの発生リスクも少なく、耐病性にも優れているからです。
登熟を迎えるまでに非常に積算温度があるため、収穫を10月まで引っ張ることができ、稲の収穫作業と重ならずにすみます。晩生品種を栽培したとてもここまで遅らせられないでしょう。
ただし、台風への対応については少々難しく、台風が直撃するとどのような品種であっても倒伏は不可避です。
台風リスクについては、たとえば作型でかわしたり、倒伏にも対応可能な収穫機器を導入したりするなど、総合的な対策が必要になります。
大豆との輪作を検討しているとのことですが、子実とうもろこしを組み込んだ輪作にはさまざまなメリットがあります。
特に大豆−小麦の輪作を続けることによる連作障害については、輪作にとうもろこしを組み入れることで、防除困難な雑草の駆除や土壌病害の低減が期待できます。
そのほか、有機物の還元や土壌の物理性の改善によって畑作物全般の増収につながる効果なども期待できると思います。
なお、当社では子実とうもろこしの作付けを支援する「子実コーンNAVI」を展開し、そのなかで栽培マニュアルを公表しています。ぜひ新規作付けの参考にしてください。
また、新規作付けにあたってはさまざまな要件の確認が必要となります。お気軽にお問い合わせください。