新潟県で米と野菜を栽培しています。
今年の長雨でとうもろこしが裂果(れっか、実が割れること)してしまいました。
皮を剥かないとそれが分からないため、ひとつひとつ皮を剥いて確認するのに、とにかく手間がかかります。
無事なものは直売所に出しましたが、あまりにも手間がかかるので、今年はもう出すのを諦めようかなとも考えたほど、費用対効果が悪すぎます。
皮を剥かなくても裂果が分かる方法があるのなら、今後のためにもぜひ教えて欲しいです。
ほかの農家さんはどう対応・対策しているのでしょうか?
(新潟県・内田さん/仮名・30代)
寺坂祐一
感動野菜産直農家 寺坂農園株式会社 代表取締役
とうもろこしの皮を剥いて確認するしかありませんが、全部剥かなくても大丈夫です
裂果とは、実が割れて(裂けて)いる状態を指し、急激な豪雨などで吸収した水分が原因のひとつです。野菜はもちろん、果樹にも頻繁に発生する症状です。
とうもろこしの皮を剥かずに裂果を判断する方法ですが、残念ながらありません。いずれにせよ、皮を剥いて確認するしかないと思います。
ただし、全部剥く必要はありません。当農園では、穂先5cmほど皮をめくり裂果を確認しています。そこで異常があったなら、除去するしかないですね……。
農業が進化しているとは言え、確認は人間の目でしかできないのが実情です。特にとうもろこしの場合は皮を剥かなければ分からないですしね。トマトや梨のように、裂果が一目瞭然ならまだ手間もかからないのですが。
当農園の裂果対策としては、まず前提として毎日とうもろこしの実入り進行度合いを観察しています。
そして、天気予報をよく確認しながら、雨が降る前に収穫を終わらせてしまいます。
そのほかの対策として、当農園ではトウモロコシの収穫作業は3回に分けて実施しています。
1回目(1番果)は実のしっかり詰まった物だけを収穫して未熟なものは残しておきます。
2回目(2番果)も同様に、実のしっかり詰まった物だけを収穫。
数日置いておいて未熟果が収穫適期になるのを待って3回目、残っていた1番果をすべて収穫します。また、2番果で実が詰まっている物を収穫します。
このように何度かに分けて収穫することで、気付いたら全滅……、といった悲しい事態を避けられますよ。
収穫のタイミングは、皮の上の方を少し開いて確認し、実の色で見極めます。クリーム色か黄色になっていたら収穫のベストタイミングです。
最後に、とうもろこしの裂果を未然に防ぐには、排水溝などの設置なども有効です。来年は対策をしておけば良いでしょう。