茨城の野菜農家ですが、人材不足の問題で悩んでいます。
最近、障がい者などが農業で活躍する「農福連携」の話題をよく耳にしますが、知り合いの農家でも、障がい者の方々に手伝ってもらっているそうです。
話を聞いたところ「指示などが伝わりづらい。かといって強くも言えないので葛藤することが多い」と言っていました。
社会貢献できる点は素晴らしいですが、苦労も多そうです。
私も手伝いに来てくれる人に「適当にやってください」などと言ってしまいがちですが、「適当に」といった曖昧な指示では伝わらないなと思いました。
障害者の方々とうまくコミュニケーションをとるために、仲介役となる人がいてくれれば、うちでも農福連携を行ってみたいと考えています。
そういったサポートをしてくれる方をどう探せばいいのか教えてください。
(茨城県・峰村さん/仮名・40代)
伊藤文弥
NPO法人つくばアグリチャレンジ代表理事
最寄りの「共同受発注センター」に問い合わせをしてみましょう
まずは、最寄りの「共同受発注センター」を探してみてください。
数年前より全国各県に整備された組織で、障がい者が生産した商品や、地域での受注業務を紹介、あっせんする役割を担っています。
共同受発注センターは福祉施設と農家をつなぐ存在ですが、利用すれば必ずうまくいくというものではありません。
うまくいっているパターンを見ると、自分で農業をしていること、仕事への意識が整っていることの2点がベースにあります。
仕事への意識とは、休日出勤の対応や、休む際の事前連絡など、一般常識的なものです。
しかしながら、こうしたポイントを受発注センターや受け入れ農家で調整してもらうことは簡単ではありません。
受け入れ側としては、受発注センターを探す、うまくいっている施設を探す、取り組む姿勢を整える、の3点が求められます。
こちらも最低限の条件ですが、これらを整えてもうまくいかないことを前提に取り組むことが大事かと思います。
また、懸念されている「言葉の表現のズレ」は、障がいのある方に限ったことではありません。
誰かと仕事をする上では当然のことです。相手にも人格がありますから、擦り合わせていくしかありません。
つまり、障がい者雇用は、農家さん側のメリットだけを想定するものではありません。
障がいのある方に仕事の喜びを感じてもらうなど、目的や動機をしっかり設定しましょう。障がい者雇用は、便利な精度であるなど思わない方が良いです。