一念発起して脱サラし、地元で農業を始めました。
季節毎に旬の野菜を生産して、地元の販売所に卸しています。
京都は京野菜といったブランド野菜を含め生産できる種類が多いため、周囲の方にいろいろと教わりながらさまざまな野菜に挑戦しています。
しかし、農業を始めてまだ10年足らず、まだまだ規格外の野菜がたくさん出てしまうのが悩みです。
「訳アリ商品」として少し価格を下げて販売していますが、どうしても規格外=良くない商品というイメージがあり、売れ行きもそこそこ。
味は美味しいのに残念に思っています。
どうにか違う表現はないかと模索していて「ふぞろい野菜セット」や「アウトレット商品」といった案があるのですが、ぜひ専門家の方の意見が聞いてみたいです!
(京都府・福山稔さん/仮名・30代)
村瀬雄太
ファームコネクト
ネーミングは最終手段!まずはPOPなどでしっかり説明しましょう
Twitterで「闇落ちトマト」に名前を変えたら人気商品になった…という投稿がありました。
この投稿は8万以上もリツイートされて大変話題になったので、ご存知の方も多いはず。
このように、ネーミングも一定の効果があると思います。とはいえ、上の投稿は本当にネーミング「だけ」のおかげなのか?という疑問も、拭いきれません。
「闇落ちトマト」というネーミングはあくまでお客様の目を引くキッカケ作りになっただけであり、実際に購入に至らせたのは横にある「通常のものよりも甘い」という説明書きではないか?とも思うのです。
これまでの「ネーミングを変えたら売れるようになった!」という話はよくよく深掘りしてみると「ネーミング以外の部分を徹底的に改善して、最後の手段として名前を変えたら売れるようになった」というものが大半です。
当社がサポートしている農家さんは「訳あり品」という名前で作物をネット販売しておりますが、しっかり売れています。もちろん、売り方も工夫して。
結論としては「ネーミングも大切だが、売り方も同じくらい大事」です。
ネットショップでは特に、写真だけでなく丁寧な商品説明文が購入を後押しします。
POPなどで作物の魅力をしっかり伝えて「訳ありでも食べたい」と感じさせることができているか?どんな訳があるのかを伝えているか?味が変わらないことはしっかり伝えられているか?値段は適正か?これらを徹底した上で、最後に手をつけるべきなのがネーミングです。
ちなみに、訳あり品を売る際の文章に悩むという場合は、スーパーやチラシ、あるいは訳あり品を販売している通販サイト(例えば、「みためとあじはちがう店」)の文言を参考にするのもおすすめです。
山岸直輝
株式会社MISO SOUP
お客さま目線で「規格外」を考えてみるといろんなネーミングができます
規格外商品のネーミングは、全国の農園の課題だと思います。訳アリ商品というと味は同じですが安いイメージがつきものですよね。
他にも「アウトレット」「ふぞろい」の他に「B品」「規格外」「ご自宅用」などといった表現がありますが、ネーミングは「お客さまがたどり着きやすい名前」が大事なのではないでしょうか。
商品を購入してくれるお客様の年齢層や性別、環境によって、響く言葉は変わってくると思います。例えば全国でも訳アリ商品というネーミングで売れている売り場は確かに存在します。
他にも「独自の選別基準でお客さまに売り出すこと」ができる商品であれば、状態をネーミングにして販売する方法もあります。
例えば、不揃いの中でも大きいものがあれば「特大サイズ」「貴重な大型」、小さいものがあれば「一口サイズ」「おひとりさま用」など。
誰かにとってはそのサイズは規格内であると捉えてネーミングしてみると、お客さまに響くかもしれません。いろいろと挑戦してみてください。