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卵の梱包材にパルプモールドを使いたいが、見た目をよくする方法はありますか?

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卵の梱包材にパルプモールドを使いたいが、見た目をよくする方法はありますか?

岡山の養鶏家です。豊かな自然のなかでストレスフリーに育てた新鮮な卵が自慢の商品です。

最近、エコやSDGsの観点から梱包材について考え直しています。現在使用しているPET樹脂の素材をやめて、古紙を原材料にした「パルプモールド」へ変更するのが一番シンプルな方法なのですが、いくつかの問題点があって、一歩を踏み出せずにいます。

ひとつは、パルプモールドの方が高いため商品を値上がりさせなくてはならないということ。もうひとつは、パルプモールドという素材上、印字ができないため、農園などのブランド名を入れられず、見た目がシンプルになって、消費者へのアピールが弱い点です。

値段よりも商品の質や生産背景が重要視されている今、多少の値上げしても消費者は購買してくれるのではないか、と思っています。

逆に値段を上げた分、パッケージでこだわりやブランド感を強く打ち出したいのですが、パルプモールドでも見た目を良くする方法はありませんでしょうか?

環境に優しい梱包が目的なので、派手な装飾はしたくないです。
(岡山県・長尾将人さん/仮名・30代)


本多英二

aula brand design(アウラブランドデザイン)

デザインと表示を一体化させたラベルで、オリジナリティあるパッケージ作りを

いまだプラケースが出回ってない昭和の時代の話です。卵の輸送用に古紙を固めた灰色で粗い肌の容器を使っていました。これが今で言うパルプモールドのハシリです。

時代は移り、オシャレ&エコなパッケージとして注目されているのはご存知のとおり。肌触りは滑らかに、色も綺麗で薄型になり、ブランド価値を損なうことのない高品質なパッケージへと進化しました。

まず、ひとつめの問題点「値上げ」についてですが、一般的なスーパーでの買い物はまだSDGsの観点よりもリーズナブルな価格の方が優先されています。

環境に配慮した行動が価格に反映される社会になるにはまだ時間が掛かりそうです。お客さんが感じる高い/安いの感覚は「納得感」に起因します。

1,000円の卵でも「これだけの努力と手間が掛かっているから、この値段とこの味になるよね」という納得感を与えることができれば値段が高くても購入してもらえます。

パルプモールドを使ってみたいのであれば、まずそれを使うにふさわしい付加価値のある卵を作ってみる、または既にそのような取り組みをされておられるのであれば、その価値ある情報をデザインに反映する(商品名やアピールコピーなどで)。

これで内と外のクオリティーが整いお客さんに納得してもらえる商品になるでしょう。

例えば、平飼いのニワトリ、安心安全な餌、厳しい商品管理といったものが高付加価値情報になります。これらのキーワードをデザインに反映させ、自社ブランドを強化し、顧客を作っていきましょう。

ふたつめの「デザイン」について。パルプモールドに自社ロゴなどを入れる場合は、素材に凹凸をつけて文字やマークを表現するのですが、オリジナルの型を作るとなると数十万の型代がかかってしまいます。

さらに、大量ロットで発注しなければならないので、生産者さんの負担が大きくなってしまいます。

そこで、多くの生産者さんは既成のモールドパッケージを使い、ラベルで表現する方法を取られています。

表示の関係でラベル貼りが避けられないことを考慮すれば、デザインと表示を一体化させたラベルはコストパフォーマンスが高い表現方法です。また、印字よりもデザインにオリジナリティが出せますし、高級感を持たせることも可能です。ぜひ、検討してみてください。

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