長崎県で養殖業を行っている者です。
私たちは、海面養殖でサバやアジを育てています。
その中で、困っていることがあります。
漁場に置いてあるわたり板に大量のケムシが発生することです。
何のケムシなのかは分かりませんが、着用しているカッパの足元から伝って来て、肌を露出している首などを刺してきます。
あまりに大量にいるときは殺虫スプレーである程度駆除していますが、また数日するとケムシが発生しています。
そこでお聞きしたいのですが、何が原因で漁場にケムシが発生しているのでしょうか。
また、ケムシが出ないようにするには、対策方法はないでしょうか?
(長崎県・寺島真さん/仮名・30代)
下田貴宗
株式会社シモダアメニティーサービス
ケムシが発生した場所を高圧洗浄し、地衣類を洗い流しましょう
発生したケムシに関しては想像でしかありませんが、蛾の仲間であるヤネホソバの幼虫ではないかと考えます。
この幼虫(ケムシ)は、地衣類(一般にコケと言われる菌類と藻類の共生体)を食するので、発生箇所を高圧洗浄し、地衣類を洗い流すことで対策ができます。
以前、塗装が劣化した瓦屋根でヤネホソバの幼虫が発生したことがあります。
その際、幼虫を駆除した後に高圧洗浄を行うことで、その後の発生予防に成功した事例があります。
今回の発生場所は海上の生け簀ということもあり、薬剤は使用せずに解決することが重要であると判断しますので、この方法が有効かと思います。
余談になりますが、以前、アジが多くみられる海域の防波堤でヤネホソバを洗い落としたことがあります。
その際、アジがヤネホソバの幼虫を食べる様子は見られませんでした。
養殖魚の場合はどうなるか試したことはありませんが、アジのエサにでもなると良いのですが 。一度試してみるのもいいかもしれません。