群馬県できゅうり、ほうれん草、ごぼうなどを生産しています。
出荷の際に使うダンボールは30年ほど同じ会社から届けてもらっています。
恥ずかしいことですが、今までダンボールのことなどは、まったく気にしないで使っておりました。
しかし、最近になって経費削減について真剣に考えるようになり、あらゆるものの経費を見直しているところです。
もちろんダンボールのコストもできれば安く抑えようと考えています。
そこで仲間が出荷の際に使っているダンボールを注意深く見てみると、紙の厚みや重さなど、かなり違っていることに気づきました。
私が今まで使ってきたダンボールは、素人感覚ですが、とてもしっかりしています。
仲間が使っているものは、さほど強くなさそうに感じます。
しっかりしているのは悪いことではありませんが、いまより強くなくても出荷に問題はなさそうです。
メーカーとの値段交渉をするにあたり、出荷用のダンボールの種類や強度など、基本的な知識を教えてください。
(群馬県・新井亮介さん/仮名・50代)
本多英二
aula brand design(アウラブランドデザイン)
ダンボールの価格は強度や印刷面の数、色数などに影響されます!
いまお使いのダンボール箱はオーバークオリティ(品質が必要以上に良い)なのかもしれませんね。
ダンボール箱の価格は箱の大きさ以外に「強度」が大きく反映されます。どのような板紙を使うのかによって変動しますので適材適所で使い分けしなくてはなりません。
表面の紙を「ライナー」、波波の部分を「中芯」と呼びますが、この中芯の「しっかり度」が重要で、中に入れる商品の重量によって変わります。したがって価格も変わってきます。
相談者さんの作物がきゅうり、ほうれん草、ごぼうということでしたらそれほど重いものではないので一般的な強度で大丈夫でしょう。
無地のサンプル箱を取り寄せ実際の中身を詰めて輸送テストしてみてください。自分宛でも遠くの親戚宛でも構いません。
あと、価格に影響するのが「印刷面の数」。底を除く5面すべてに印刷しなければならないのかを考え、減らせるのであればそれだけ印版の面積が少なくて済むので価格は抑えられます。
「色数」も影響します。3色使っているのなら2色表現にできないか、1色ではだめなのか……慣習や前例に囚われずに考えてみてください。
最後に「数」。印刷する側からすれば1度のセッティングで一気に大量印刷すれば人件費が省けます。よって単価は下がります。
これらの基礎知識を持ったうえで、いまお取引のある製作担当者に「コストダウンを計りたいんだが良い方法はある?」と聞いてみてください。
「今ダンボール原紙が高くて……」と言われるかも知れませんが、それはこちらも重々承知のうえ。上記の4つの項目を踏まえてでやり繰りしてくれるのが、優れた営業さんです。そういう人に出会えなければ……、 またご相談ください。