会社勤めをしながら、母親や妻とともに野菜を栽培し、直売所に出しています。
都市近郊なので、体験型の観光農園も並行してやったほうが収入も安定すると思い、一昨年の秋から、5アールほどの場所にブルーベリーの苗木を5種類50本ほど植え付けました。
品種としては観光農園に向きそうな大粒で糖度も高い品種を中心に、「ノーザン・ハイブッシュ系」を2種、「ラビットアイ系」を3種選びました。
今年に入って、少量ではありますが、苗木から大粒で糖度の高い実が収穫できました。
今後は、収量アップに向けて秋にしっかり追肥し、早期の剪定も行い、さらにもう5〜10アールほど面積を広げて、品種の数も増やして100本以上の規模にしたいと思っています。
来年の開園を考えていますが、苗木もまだ小ぶり(60〜90センチほど)で、実がなる本数も少ないので、最初から入園料を取る方式で経営が成り立つのかどうか不安です。
入場料を取らずに自由に摘み取ってもらい、摘み取った分を100グラム単位で量り売りする方式のほうが良い気もします。ネットで調べるとそういったブルーベリー農園もよく見かけます。
そもそも植え付け4年目で摘み取り農園の開園自体が無謀なような気もしますが、開園する場合は、入場料方式と摘み取った実の量り売り方式とどちらがよいと思われますか?アドバイスをお願いします。
(大阪府・高橋真一郎さん/仮名・30代)
脇坂真吏
AgriInnovation Design/東神楽大学学長
自分の農園の価値を考えたうえで、売り方を整理してみてはいかがでしょうか?
観光農園をされるとのこと、これからが楽しみですね。まだ始める前とのことなので、売り方を考える前に、ご自身が経営する農園の価値を考えてみてはいかがでしょうか?
ご自分の体験農園が、他の体験農園とは異なる部分が、他社と差別化できる部分にあたります。
具体的に申しますと、①集客ターゲットは、どのエリアからどんな人を中心に考えるか、②交通手段は自家用車か、公共交通機関で来る客なのか、③自家用車なら駐車しやすい場所なのか…などといったイメージを考えることで、相談者さんのブルーベリー農園では、「想定するお客さんに向けて」「こんな●●(価値)をお届けできます」というコンセプトがしっかりと見えてくるようになります。
そのうえで、お客さまに価値を提供する売り方として、現在悩まれてる2つの選択肢、もしくは別の方法がいいのかどうか、整理すると良いでしょう。
ちなみに相談に書かれている2択の場合は、
① 入園料をとって食べ放題の場合、「家族やお子さんへ楽しい時間を提供」することが価値の中心になります。
② グラム売りの場合、ブルーベリーをお得に買いたいと考えている人に「新鮮なブルーベリーを提供」することが価値としてとらえられるかと思います。
①の「時間という価値」を提供する場合は、それをより楽しめる工夫を考えることがコンセプトになります。②の「新鮮なブルーベリーをお得に提供することが価値」につなげたいのであれば、その新鮮さやお得さのアピールを工夫したり、掘り下げていきましょう。