menu
Pull to refresh

サツマイモ栽培の苗作りについて教えてほしいです

文字サイズ

拡大 標準

サツマイモ栽培の苗作りについて教えてほしいです

友人の農家がサツマイモの栽培をはじめたところ、道の駅で好評だったようで、私も作ってみようかと検討しています。

これまでサツマイモを育てたことはありませんが、ほかの作物でも良い苗を作ることは大事なので、まずはしっかりとした苗を作りたいと考えています。

そこで、苗づくりの手順や、温度管理の方法、注意点などを教えていただけないでしょうか。

山川 理

山川アグリコンサルツ代表、農学博士

サツマイモの苗作りは3〜4月に始め、「温床栽培」か「冷床栽培」で育てられます

サツマイモ栽培の苗作りに最適な時期と日数


サツマイモの苗作りは、3月〜4月の間に行いましょう。なぜなら、サツマイモを植え付けるのに最適な時期がマルチ栽培では4月中旬〜5月下旬だからです。

苗作りに使用する種芋(250gくらいの大きさ)は、伏せ込んでから1ヶ月半ほどで苗として切れる長さ(30cm以上)まで伸長します。

なお、1つの種芋から切れるサツマイモの苗は1回に6〜8本ほどです。1度切ってから10日ほど後で、次の苗が切れるまで伸長します。

つまり、1シーズンで1つの種芋から取れる苗の数は20本ほどです。そのため、3月中旬〜4月上旬までには苗作りを始めることが重要といえます。


サツマイモ栽培を苗作りの方法2種類


サツマイモの苗づくりは発熱資材を使う「温床栽培」、保温資材だけの「冷床栽培」で行うことが可能です。

取り置きは不要です。すぐに植えても大丈夫です。採苗してから数日後までには植えましょう。


温床栽培


温床栽培とは、電熱線を埋め込むことや、落ち葉や米ぬかなどを混ぜることで発生する発酵熱を利用することで温床を作る方法です。

まず、種芋の伏せ込み部分の周囲を、木枠や稲わらなどで囲います。囲いの中に藁を敷き詰め、その上に落ち葉と米ぬかを5:1で混ぜたものを30cmくらいの厚さに載せます。その上に土をかけ、肥料と堆肥をまき、全体にしっかりと水をかけましょう。ポリフィルムでトンネルを作り、全体を保温します。


冷床栽培


冷床栽培では、種芋を伏せ込む部分に平畝を作り、トンネル栽培をします。種芋を伏せ込む部分に肥料と堆肥を入れよく撹拌してから10㎝の高さの畝を作ります。

種芋を伏せ込み、十分に潅水します。出芽を促進するために不織布で覆うとよいでしょう。

ポリフィルムでトンネルを作り、フィルムの端を埋め込んで保温します。


サツマイモ栽培の苗作りに関するポイント


サツマイモの伏込を行う前には、病気や傷のない健康な種芋を選びましょう。種芋から芽が出る温度は28〜30度であり、出来るだけ温度と湿度を維持しましょう。

温度が10度を下まわる状態が続くと、種芋が腐ってしまうため伏せ込む時期を延期して下さい。

2週間くらいで出芽してくるので、35度以上の高温にならないように、ときどき裾換気を行ってください。途中から穴あきフィルムに取り換えると管理が楽になります。

晩霜の恐れがなくなる4月下旬から苗取り作業をしていきます。30cm以上に伸びた苗を、地際4から5㎝(3節から5節くらい)残して切り取ってください。

地際ギリギリで切ると病気の感染の恐れ、また脇芽が出にくいなどの不都合が起こります。刈り取り後には灌水をし再度保温して下さい。

複数回苗を取る場合には途中で硫安か尿素(水溶液状態のもの)などの窒素肥料を与えて下さい。

栽培方法についてはこちらをご覧ください
サツマイモを栽培したい!生産方法や注意点を教えてください

このお悩みの監修者

山川 理

山川アグリコンサルツ代表、農学博士

京都大学農学部卒、農学博士。農林省九州農業試験場では、サツマイモやイチゴの新品種を多数育成。1996年日本育種学会賞。1998年農林水産大臣賞。山川アグリコンサルツ代表として、食品関連企業の顧問や地域の活性化アドバイザーとして活躍。千葉大学園芸学部非常勤講師。『サツマイモの世界 世界のサツマイモ: 新たな食文化のはじまり』など著書多数。

シェア

COMMENT

この記事を誰かに教える /⾃分に送る

お気に⼊りに登録
ツイート
シェア
送る
NOTE

会員登録と⼀緒に公式LINEに登録すると便利です。

業界ニュースやイベント情報などが届きます。

友だち追加

関連するお悩み

サツマイモの栽培に最適な肥料について教えてください
サツマイモ栽培での一条植えと二条植えのメリット・デメリットを教えてください
サツマイモ栽培時に土寄せをする意味を知りたい

あなたの悩み
YUIMEで解決しませんか??

農業や漁業に関する悩みや疑問や不安、
悩みごとについておよせください。
いただいた投稿から選考した相談内容について、
編集部や専⾨家がお答えします。

Loading...