menu
Pull to refresh

サツマイモ栽培で種芋の選び方を教えてください

文字サイズ

拡大 標準

サツマイモ栽培で種芋の選び方を教えてください

これまでいろいろな野菜を栽培してきましたが、新しく直売所で販売するために、サツマイモの栽培に挑戦しようかと検討しています。

先輩の農家さんに相談したところ、サツマイモの栽培には種芋選びが重要だと聞きました。

周囲のサツマイモ農家さんから種芋の選び方についていろいろとアドバイスをもらいましたが、イマイチ良い種芋とはどういうものなのかわかりません。

種芋の選び方を教えていただけないでしょうか。

山川 理

山川アグリコンサルツ代表、農学博士

種芋が育った圃場の環境に注意し、病害がないものを選びましょう

良い種芋の選び方


サツマイモは栄養繁殖性作物(植物体の一部を植え付けることで新たな株を育てる作物)のため、種芋の選定は非常に大切です。

選定のポイントは
・5月中旬以降に植えたもので、栽培期間が4カ月程度で大きすぎないこと
・株全体に病害や虫害の発生が少ない畑から選ぶこと
・紡錘形で形が整い、赤紅の皮色を持ち、表面に傷や裂開がなく滑らかで光沢があること

などが挙げられます。

大きさは200〜300グラムほどのものを選びましょう。大きすぎる種芋は伏込作業に苦労するだけでなく、種芋の数が減少し、取れる苗数が少なくなります。


種芋選定後の消毒


健全な種芋を用意できれば特に消毒の必要はありません。消毒には温熱消毒を行います。47~48度の温湯に40分間ほど種芋を浸します。

ほかに、「ベンレート水和剤」「トップジンM水和剤」などの農薬で消毒する方法もあります。

ウイルスフリー苗(育苗する)


ウイルスフリー苗とは、サツマイモの茎の生長点を培養(茎頂培養)して作った苗です。大きさわずかな生長点には、ウイルスがごく少なく、無菌状態で培養するため、ウイルスにかかっていない苗ができます。

健全な種芋の確保が困難な場合、ウイルスフリー苗を購入し、サツマイモ栽培を行うことを考えて下さい。


基腐病感染の対策


最近、日本全国でサツマイモ基腐病が流行しています。基腐病が全国に広がったのは、感染した苗や種芋が移動し、各地で栽培されたことが原因だと言われています。

そのため、基腐病の未発生地域では汚染種苗を「持ち込まない」ことが重要な防除対策です。

東京大学大学院農学生命科学研究科の研究グループが、世界初の基腐病の診断キットを開発しました。

このキットを活用すれば、これまで数週間かかっていた基腐病の診断を30分に短縮でき、健全な苗の確保や栽培時に診断することが可能になりました。

植え付けから収穫までの栽培期間については、こちらの記事をご覧ください
サツマイモ栽培の植え付けから収穫までの期間を知りたい

このお悩みの監修者

山川 理

山川アグリコンサルツ代表、農学博士

京都大学農学部卒、農学博士。農林省九州農業試験場では、サツマイモやイチゴの新品種を多数育成。1996年日本育種学会賞。1998年農林水産大臣賞。山川アグリコンサルツ代表として、食品関連企業の顧問や地域の活性化アドバイザーとして活躍。千葉大学園芸学部非常勤講師。『サツマイモの世界 世界のサツマイモ: 新たな食文化のはじまり』など著書多数。

シェア

COMMENT

この記事を誰かに教える /⾃分に送る

お気に⼊りに登録
ツイート
シェア
送る
NOTE

会員登録と⼀緒に公式LINEに登録すると便利です。

業界ニュースやイベント情報などが届きます。

友だち追加

関連するお悩み

サツマイモ栽培の植え付けから収穫までの期間を知りたい
サツマイモ栽培の畝間について悩んでいます。どのくらいの幅にすべき?
サツマイモを栽培したい!栽培方法や注意点を教えてください

あなたの悩み
YUIMEで解決しませんか??

農業や漁業に関する悩みや疑問や不安、
悩みごとについておよせください。
いただいた投稿から選考した相談内容について、
編集部や専⾨家がお答えします。

Loading...