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数年前に農家になり、今年から新しくサツマイモの栽培をはじめようとしています。
私の圃場は水はけが良く、栄養分が少ない土壌なので、近所の農家さんからサツマイモの栽培に適していると言われました。
サツマイモの栽培にはやせた土地が適しているといわれていますが、土壌改良として使われる石灰は入れた方がいいのでしょうか？
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山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
石灰を入れ過ぎるとph値が高すぎになるので注意しましょう
サツマイモ栽培に適した土地の性質
サツマイモは湿気に弱いので、日当たりと水はけがいい畑が適しています。
土は火山灰土や砂質壌土が理想的です。
一般的に、やせた土地の方が栽培しやすく、肥料があまり残っていない土地を選んで栽培するのがいいでしょう。
さらに連作障害が起こりにくい作物なので、前作で育てた場所でも続けて栽培が可能です。
なぜ九州南部や関東平野でサツマイモの生産量が多いのかというと、火山噴火による火砕流や軽石、火山灰などが堆積したシラスやホヤ、関東ローム層などに覆われているからです。
石灰を入れる効果
土壌改良でポイントとなるのは、phの値です。
サツマイモの生育に合うのは酸性の土で、ph5.5〜6.0の土壌でよく育ちます。
ほとんどの畑では石灰分の追加は必要ありません。
つまり石灰資材を過剰投入してしまうと、phの値が上がり過ぎとなってしまい、生育の悪化やイモの品質低下が起こるので注意しましょう。
最適な土壌のphについてはこちらもご覧ください
「サツマイモを栽培する土壌のphについて知りたい」
このお悩みの監修者
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
京都大学農学部卒、農学博士。農林省九州農業試験場では、サツマイモやイチゴの新品種を多数育成。1996年日本育種学会賞。1998年農林水産大臣賞。山川アグリコンサルツ代表として、食品関連企業の顧問や地域の活性化アドバイザーとして活躍。千葉大学園芸学部非常勤講師。『サツマイモの世界 世界のサツマイモ: 新たな食文化のはじまり』など著書多数。