サトウキビ栽培に適した除草剤について知りたい

YUIME Japan編集部 / 2024.01.22

農薬・肥料・種苗

#畑作 #穀物 #サトウキビ

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これまで沖縄のサトウキビ農家さんの元で働いてきましたが、そろそろ独立したいなと考えています。

いまは独立した時のために準備を進めていますが、悩んでいるのが除草作業についてです。

いまの農家さんのところでは、除草作業が大変で、使っている除草剤の効き目もイマイチだったので、人手をかけて対処してきました。

しかし、独立したらひとりで作業しなければならないので、どうすべきか悩んでいます。

具体的にサトウキビ栽培ではどのような除草剤を使えば良いのか、アドバイスをいただけないでしょうか。

前田隆昭

南九州大学　環境園芸学部　環境園芸学科　教授

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サトウキビ栽培では、センコル水和剤などを使って除草するのが一般的です

サトウキビ栽培で使用する除草剤

サトウキビ畑に雑草が生えると、分げつ茎の発生を抑制して茎数が減少してしまいます。

サトウキビの生育につれて、地表面が陰になり雑草の発生は減りますが、生育時の雑草による茎数減少は除草剤を使って対策しなければいけません。

サトウキビ栽培時の除草では、主に以下のような除草剤が用いられています。

・センコル水和剤
・アミン塩
・アージラン液剤
・カーメックスD（またはカーメックス顆粒水和剤）

除草剤と言ってもさまざまな種類のものが販売されています。しかし、中にはサトウキビに適していない除草剤もあるので注意しましょう。

除草剤のボトルや袋の裏側には、使用可能な作物が記載されているので、必ず「サトウキビ」と明記されたものを使用して下さい。

除草剤を使用する際の注意点

サトウキビ栽培で除草剤を使用する際は、散布量や散布の時期を守って使用する必要があります。

除草剤	散布時期	除草剤使用量(10aあたり)
センコル水和剤	植付直後～収穫30日前まで（雑草2葉期まで）	100～200g
アミン塩	植付後又は株出管理後30日以降雑草生育期（雑草の草丈30cm以下）但し、収穫30日前まで	300～500g
アージラン液剤	雑草生育期（但し、収穫30日前まで）	800～1,000ml
カーメックスD	雑草生育期（雑草の草丈15cm以下）ただし、収穫90日前まで	100～150g

除草剤それぞれで、散布時期が異なります。

使用量もそれぞれ大きく異なるので、使用する除草剤に記載された量を守って散布するようにしましょう。

上記4つの除草剤は、すでに雑草の発生が確認できた際に散布するのが一般的です。ただし、センコル水和剤は、雑草の発生がみられない時期に散布しても効果があります。

また、降雨時の使用は、除草剤が雨に流れることから効果が薄れてしまうので使用を控えてください。

風の強い日もサトウキビの畑から他に飛散することがありますので、できるだけ風のない日に散布するようにしましょう。

除草剤は人体に悪い影響を与える薬剤であるため、散布時はマスク・手袋の着用を心がけましょう。

除草剤なしでの除草管理方法

サトウキビ農家の中には、除草剤なしで栽培を行っている農家もいます。

除草剤なしで雑草対策をする際は、雑草が短いうちにローターを使って中耕をしておきましょう。

中耕を繰り返すことで、株元の雑草まで土がかかるため、以降の雑草発生や防除が可能です。

このお悩みの監修者

前田隆昭

南九州大学　環境園芸学部　環境園芸学科　教授

琉球大学農学部を卒業後、和歌山県庁に入庁して農業改良普及所の技師や、果樹試験場の研究員などを歴任し、2009年退職。同年、農業生産法人「有限会社神内ファーム21」に入社し、南方系果樹の研究を経て、2015年から南九州大学環境園芸部果樹園芸学研究室の講師に。2021年同大学・短期大学の学長に。2022年5月、学長退任後も教授として引き続き学生を指導する。

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