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サトウキビの葉の特徴や病害対策のチェックポイントは?

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サトウキビの葉の特徴や病害対策のチェックポイントは?

沖縄に移住して数年が経ち、新たに近くの農家さんから畑を借りて、サトウキビの栽培をはじめることにしました。

これまでサトウキビの収穫作業を手伝っていたので、栽培方法など、ほとんどの行程は理解していますが、病害虫などの対策についてはまったくわかりません。

近所の農家さんから「サトウキビの葉っぱを見てればわかる」と言われたのですが、どこをどんな風に注意すればいいのでしょうか。

サトウキビの葉について、詳しく教えてください。

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

サトウキビの葉は茎から細長く生えており、葉に発生する病害もあります

サトウキビの葉の特徴


サトウキビの葉は細長く、成長すると葉だけで50~100cmほどまで大きくなります。

また、茎から上方向に向かって伸びるといった特徴があります。

サトウキビの葉は二酸化炭素を吸収しますので、自然環境にも適した作物です。

葉で光合成が行われると、しょ糖(抽出される糖)ができて、やがて茎の中まで移動をします。

サトウキビはC4植物(葉内にCO2を濃縮させるC4型光合成様式をもつ植物。水分や窒素源の利用効率が高く、半乾燥地帯や高温地帯での生産性が高い)のため、日光が強いほど光合成が多くでき、葉に充分な日が当たる場所での栽培が適しています。

また、仮に水不足などで葉が枯れた場合でも、降雨があればすぐに成長し、新しい葉を出すといった自然に強い側面も持ち合わせています。


葉に発生する病害について


サトウキビの葉は、砂糖の元となるしょ糖を作るという重要な役割を担っています。

しかし、以下のような葉に発生する病害が出てしまうと、光合成能が低下し、しょ糖がうまくできなくなってしまう恐れや、サトウキビそのものが枯れてしまう可能性があるので注意しなくてはいけません。

葉焼病


葉焼病は、サトウキビの葉に黄色の斑点が生じる病害です。

黄色から灰褐色に色を変えたのちに他の葉にも伝染してしまい、枯死させてしまうおそれがあります。

葉焼病に抵抗性のある品種を植えるなどの対策が有効です。


さび病


さび病は、サトウキビの葉脈にすじ状の褐色が現れる病害です。窒素肥料の過多や通風の良くない環境で発生します。

適切な量の肥料を施用するようにしましょう。

さび病に抵抗性のある品種を植えるなどの対策をとりましょう。


モザイク病


モザイク病は、緑色の葉に淡黄色や濃緑色で、葉脈に沿った線が生じる病害です。

葉だけでなく茎まで感染するケースもあり、発生後は速やかに対策をしなくてはいけません。健全株から採苗しましょう。

病気がみられる株は除去し、畑から外に持ち出しましょう。

モザイク病は、アブラムシによって伝染しますので、アブラムシの防除をしましょう。

赤腐病対策ついてはこちらをご覧ください
サトウキビの赤腐病とはどんな病気なのか知りたい


このお悩みの監修者

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

琉球大学農学部を卒業後、和歌山県庁に入庁して農業改良普及所の技師や、果樹試験場の研究員などを歴任し、2009年退職。同年、農業生産法人「有限会社神内ファーム21」に入社し、南方系果樹の研究を経て、2015年から南九州大学環境園芸部果樹園芸学研究室の講師に。2021年同大学・短期大学の学長に。2022年5月、学長退任後も教授として引き続き学生を指導する。

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