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軟腐病(なんぷびょう)の治療、再発防止方法は?

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軟腐病(なんぷびょう)の治療、再発防止方法は?

先輩農家さんの元で修行をして、今年独立した新規就農者です。

3年間の修行でさまざまな作物の栽培方法を勉強したので、大きな不安はないのですが、一番不安に感じているのが病虫害対策です。

とくに、昨年うちの地域では軟腐病になってしまった農家さんがいるらしく、注意しなければと感じています。

事前に予防するべきなのはもちろんわかっているのですが、もし軟腐病になってしまった時に、どう治療すべきなのでしょうか?

もし再発防止策があれば、教えていただけないでしょうか。

李 哲揆

データサイエンティスト

軟腐病は発症初期に限り治療が可能です。発症の予防に努めましょう

軟腐病の治療方法


軟腐病は発生初期であれば農薬による治療が可能です。しかし農薬による対処は限定的で、すぐに再発してしまいます。

したがって圃場への蔓延を防ぐためには、軟腐病を発症した株は、圃場から速やかに除去する以外に有効な手立てはありません。

軟腐病の発生初期に有効な薬剤


バリダシン液剤5(バリダマイシン液剤)、スターナ水和剤、カスミンボルドー(カスガマイシン・銅水和剤)などがあります。

ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。


軟腐病が発症した株の除去方法


軟腐菌は、茎や葉にできた傷口や虫による食害の痕から二次感染する恐れがあります。発病株を見つけたら、次の流れで適切に除去するよう心がけましょう。

・感染した株を周囲ごと抜き取る
・圃場外へ持ち出し、焼却処分する
・次の定植前に再発防止の対策をとる



軟腐病発症後の再発防止策


発病株を除去しても、一度感染した土壌は再発しやすくなっています。しっかりと消毒を行い、再発防止に努めましょう。

・道具や手指の消毒

感染した株の作業時に、使用した道具に病原菌が付着する可能性があります。ハサミやナイフなどは洗浄したら速やかに乾燥させ、アルコールなどで念入りに消毒を行います。手指も同様です。

・土壌消毒

軟腐病は土壌中の生存力が高く、残さなどから再発してしまう可能性があります。クロルピクリンなどを用いた土壌消毒で、土壌中の病原菌密度を下げることは防除に有効です。

・水分管理

病原菌は水分量の多い土壌を好むため、畝を高くしたり排水しやすい仕組みにして、水がたまらないように心がけましょう。

軟腐病の対処方法や原因についてはこちらもご覧ください
軟腐病(なんぷびょう)とは?原因や対処法を知っておきたいです
軟腐病(なんぷびょう)の症状と原因を教えてください



軟腐病に効果のある薬剤


軟腐病は発症後の治療が非常に難しい病気ですが、予防効果のある農薬を事前に撒くことで発症を防ぐことができます。

また発症初期であれば、治療効果が期待できる農薬もあります。いずれも、作物に合った薬剤を散布しましょう。

軟腐病対策に効果的な農薬についてはこちらをご覧ください
軟腐病対策を行ううえで必要な農薬について知りたい



軟腐病には発生初期に限り治療が可能だが、発生前の予防が大切


発症初期を除き、軟腐病には効果的な治療法がありません。また一度発症してしまうと、同じ圃場で再発しやすくなる点にも注意が必要です。

発症しにくい環境作りを行い、予防を心がけましょう。

軟腐病の予防方法についてはこちらをご覧ください
軟腐病(なんぷびょう)の予防方法を教えてください

このお悩みの監修者

李 哲揆

データサイエンティスト

名古屋大学大学院生命農学研究科にて博士(農学)を取得。東北大学、東京大学、理化学研究所などを経て、2018年からは東京農工大学生物応用システム科学府にて助教を務める。主な研究テーマは土壌微生物を用いた環境に優しい農法の開発。2021年4月から民間企業でデータサイエンティストとして働く。

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