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軟腐病(なんぷびょう)とは?原因や対処法を知っておきたいです

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軟腐病(なんぷびょう)とは?原因や対処法を知っておきたいです

まだ農家になって数年ですが、最近、同じ地域で農業をはじめた知り合いの作物が、軟腐病になってしまったそうです。

私はまだ病害の被害にあったことはなく、知識もなかったので、助けてあげることができませんでした。

うちの畑もいつ同じような被害にあうか分からないので、しっかり対策をしておきたいと思います。

まずは軟腐病について、原因や対処法を教えていただけないでしょうか。

李 哲揆

データサイエンティスト

軟腐病は病原細菌は細菌による病気です。効果的な治療方法がないので、環境作りと予防対策が重要です

軟腐病の症状と原因


軟腐病は発症すると、地際部が水に浸ったようにドロドロに軟化しはじめ、悪化すると濃褐色に変色したり空洞化を起こしたりして、最終的には株全体が枯れてしまいます。

軟腐病は独特の悪臭を放つのが大きな特徴です。腐敗に加えて悪臭がしたら、軟腐病の可能性が高いでしょう。

軟腐病は細菌性の病気であり、軟腐病菌は土壌中でも3年以上は生存すると言われているほど、生存力が高いです。

軟腐病が発症する条件には、高温や高湿度、水分過多などいくつかの条件があり、これらを避けることが予防となります。

軟腐病の症状と原因については、こちらの記事でも詳しく紹介しています
軟腐病(なんぷびょう)の症状と原因を教えてください



軟腐病は、組織が柔らかい野菜や植物に発症しやすい病気です。

具体的には大根、白菜、キャベツ、カリフラワー、レタス、ショウガ、セルリー、パセリ、ネギ、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、トマト、ピーマン、チンゲン菜、小松菜、ニラ、カブ、にんにくや、植物ではランやシクラメンなどに多発します。


軟腐病の予防方法


軟腐病は発症・蔓延してしまうと効果的な農薬がありません。現段階では、発症しにくい環境を作って予防に努めるのが最も重要な対策とされています。

軟腐病の病原菌は乾燥に弱いため、圃場の風通しを良くし、畝を高くするなど雨風が溜まらないよう土壌管理します。定植前の土壌消毒も忘れず行いましょう。

害虫を防除する薬剤、軟腐病に効果があると言われる薬剤がありますが、効果を発揮するには対象作物や目的に沿ったものを選ぶことが大切です。

また、キャベツ、白菜、大根、玉ねぎなど軟腐病に抵抗性のある品種があるので、それらを選定することも一つの手段といえます。

予防方法についてはこちらもご覧ください
軟腐病(なんぷびょう)の予防方法を教えてください



軟腐病の治療方法


軟腐病は発生初期であれば農薬による治療が可能です。しかし農薬による対処は限定的で、すぐに再発してしまいます。

したがって圃場への蔓延を防ぐためには、軟腐病を発症した株は、圃場から速やかに除去し焼却処分をする以外に有効な手立てはありません。

さらに、感染株の作業に使用した道具や手指は病原菌が付着している可能性があるため、念入りに消毒を行います。

軟腐病の病原菌は土壌中の生存力が高く、一度発症した畑では再発しやすくなります。そのため、次の定植前には土壌消毒をして、再発防止に努めます。

予防には原因の特定が必要です。排水管理か食害虫か、発症の原因は何だったのかを追求して対策を講じることで効果を発揮できます。

発症を未然に防ぎ感染しないためにも、ご紹介した方法を徹底して行いましょう。

軟腐病対策に効果的な農薬についてはこちらをご覧ください
軟腐病対策を行ううえで必要な農薬について知りたい

このお悩みの監修者

李 哲揆

データサイエンティスト

名古屋大学大学院生命農学研究科にて博士(農学)を取得。東北大学、東京大学、理化学研究所などを経て、2018年からは東京農工大学生物応用システム科学府にて助教を務める。主な研究テーマは土壌微生物を用いた環境に優しい農法の開発。2021年4月から民間企業でデータサイエンティストとして働く。

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