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ひらたけ(シメジ)の品質を向上させるコツを教えてください

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ひらたけ(シメジ)の品質を向上させるコツを教えてください

しいたけやシメジ(ひらたけ)などのきのこを栽培している農家です。

まだ初めて数年なので、試行錯誤をしながら栽培していますが、なかなか良い品質のシメジが作れません。

シメジの品質をよくする栽培のコツを教えていただけないでしょうか。

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

シメジ(ひらたけ)栽培は培地づくりと栄養管理でもっと良くなります

シメジ(ひらたけ)栽培の基本情報


シメジはクルミ、ヤナギ、ポプラ、アカシヤ、ハンノキ、クワ、リンゴなどに発生します。広葉樹を腐らせる木材腐朽菌(木材の主成分を分解し栄養源とする菌)の一種です。

シメジ栽培は菌床の「空調栽培」とブロック菌床による「自然栽培」が行われています。

シメジの空調栽培のコツ


空調栽培は、きのこの栄養源となる培地を瓶詰めし、雑菌が入らないように殺菌したうえで植菌していきます。

接種後の瓶は、温度は20~23度、湿度は65~75%、Co2は3,000ppm以下の培養室で30〜35日ほど培養、熟成させます。

熟成が済んだら「菌掻き」をして発芽を促し、温湿度やCo2、照明を管理しながら15日ほどで収穫します。

空調栽培の方法についてはこちらをご覧ください
ひらたけ(シメジ)の栽培方法を教えてください



シメジの自然栽培のコツ


ブロック菌床による自然栽培の培地づくりにおいては、殺菌が非常に重要です。殺菌が不十分だと害菌の影響を受けて、きのこ菌糸の成熟度が不足してしまいます。

また、培養期間においても熟成障害が原因になって、収量減につながってしまいます。

培地内に害菌を侵入させないためには、栽培する環境を無菌状態にすることが必要です。栽培管理においても、清潔で風のない場所に徹底しましょう。

菌床栽培の方法についてはこちらでご紹介しています
ひらたけ(シメジ)の菌床栽培の方法を教えてください


品質アップのコツ


菌床栽培で短期間に効率よくきのこを発生させるためには、増収栄養剤を使用します。

増収栄養剤を使用すると、1瓶当たり200グラム以上の収量が見込めます。それでも収量が伸びなければ、培養日数の延長や栄養源の見直しが必要になってきます。

一般的なきのこの栄養源は、フスマやとうもろこしヌカなどです。

糖質が多いものを使用した場合、芽数が多くなり増収が見込めますが、肉質の軟化も見受けられます。

反対に、米ぬかなどのタンパク質の多い栄養源を使用すると芽数は減少するものの、肉質が堅くなって高品質が期待できます。

そのため、品質向上のためには糖質とタンパク質のバランスが大切です。

このお悩みの監修者

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

農学博士。専門は、きのこ学、森林資源学。とくに食用・薬用キノコの生理特性や生産技術、森林の木材腐朽菌および菌根菌を研究し、九州大学発ベンチャー企業「株式会社マッシュピア」「ヒマラヤンバイオ・ジャパン株式会社」の各々会長、代表も務めている。

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