アキアジ（サケ）の定置網漁はどこで行われていますか？

YUIME Japan編集部 / 2023.07.26

漁法・養殖法

#サケ #沿岸 #沖合 #定置網

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東北で漁師の見習いをしていますが、最近テレビで北海道のアキアジ漁師が特集されていて、アキアジの定置網漁に興味を持ちました。

うちの漁場ではアキアジは滅多に獲れないのですが、ほかの地域では定置網で漁獲していることを知って、いつか独立した時に、アキアジ漁師になるのも良いかもしれないと思っています。

アキアジは海水温が冷たい地域で獲れるイメージがあるのですが、具体的にどのエリアで漁獲できるのでしょうか？

石戸谷博範

海と定置網の研究室

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アキアジの定置網漁は北海道で盛んにおこなわれています

アキアジの定置網漁

アキアジは、定置網で漁獲することが一般的です。

アキアジとは、生まれ故郷の川の沿岸へ戻ってくる秋の時期に獲れるサケのことを指し、北海道でのアキアジ漁は9月頃から解禁されることが通例となっています。

アキアジの定置網漁のほとんどは北海道でおこなわれており、北海道のサケの漁獲量は、全国で90パーセントほどのシェアを誇っています。

アキアジ定置網の仕組み

定置網の構図

アキアジを定置網で漁獲する流れは下記の通りです。

1、海に定置網を設置する
2、垣網（魚の進路をふさぐ網）で海中のアキアジを定置網内へ誘導する
3、定置網の奥へ進んだアキアジが外へ出られなくなる
4、アキアジがとどまっている箱網を引き揚げ漁獲する

ただし、アキアジの定置網漁を行うには、漁業権を保有し、国や都道府県の管理当局から許可を受けなければなりません。

アキアジが定置網漁に適している理由

アキアジは、大人になって成熟すると生まれ故郷の川へ戻ってきます。

この習性を利用し、アキアジが戻ってくる海域に定置網を設置しておくことで、漁獲することが可能になります。

そのため、アキアジの産卵場所になっている北海道でたくさん漁獲されています。

また、定置網が適している理由は、アキアジは網にぶつかり進路を妨げられると陸から遠い方へ向かって泳ぐ習性があるので、アキアジが進路を変えた方向に箱網などを設置することで、効率よく漁獲できるためです。

北海道でのアキアジに関わる取り組み

地域のブランド化

アキアジ漁は、北海道の中でも特にオホーツク地域の斜里町・網走市などが主要産地です。

そのため、斜里町ではアキアジの中で選りすぐったものを「ウトロの特銀」と名づけ、ブランド化に取り組んでいます。

また、身質や脂の乗りといった点を差別化することで、市場で高評価されているものもあります。

アキアジの稚魚の放流

近年、アキアジの漁獲量・来遊数は、ピーク時の1996年に比べると半分以下になってます。

そのため、アキアジ漁が盛んなオホーツク海地域だけでなくアキアジ漁がおこなわれている各地域で、サケの栽培漁業を行い、稚魚を放流して資源管理に努めています。

アキアジの定置網漁について理解を深めよう

アキアジ漁での主流な漁法は定置網漁です。

アキアジの習性を踏まえて定置網の設置がおこなわれ、主要産地である北海道では毎年9月ごろからアキアジ漁が始まります。

近年はアキアジの漁獲量が低迷していますが、ブランド化による差別化や稚魚の放流による水産資源の確保など、各地域でさまざまな取り組みがおこなわれています。

アキアジの定置網漁について詳しく知り、新しくアキアジの定置網漁を検討してみてはいかがでしょうか。