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米作りを行う田んぼの条件を教えてほしいです

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米作りを行う田んぼの条件を教えてほしいです

新規就農して米づくりをはじめ、3年が過ぎました。まだまだ勉強しながら生産している最中ですが、地域の農家さんにアドバイスをもらいながら、試行錯誤しています。

先日、隣町に住んでいる知り合いから「畑を手放したいのでもらってくれないか」と相談されました。

とてもありがたい話なのですが、私はいまの田んぼがある地域で師匠から米作りを学んだので、ほかの地域で米作りをした経験がありません。

まずはちゃんと稲作ができる場所なのか調べにいこうと考えていますが、米作りを行うのに必要な田んぼの条件を教えていただけないでしょうか。

佐々木茂安

日本のお米をおいしくしたい。佐々木農業研究会代表/農業経営技術コンサルタント

米作りに適した条件は大きく水・土・気候で考えましょう

米づくりに適した土地とは


米作りに適した土地は、肥沃(土壌の中にたくさん養分が含まれること)であることや、米作りに向く気候であることはもちろん、一番大切なのは米作りがしやすい土地であるかどうかです。

米作りに適した土地とは、大きく2つの条件があります。

1つ目は、平らな土地であること。

水田の土が露出しないように、圃場全体が皿のような役割をする環境であることが望ましいです。

土が露出していると、除草剤の効果が下がってしまいます。

最近では斜面に作られた田んぼであっても平らになるよう区画整備をされていますが、されていない圃場もあるので注意が必要です。

2つ目は広いことです。

米作りは他の作物よりも機械化が進んでいます。

そのため、圃場が広ければ広いほど作業効率が良くなります。しかし、苗や肥料を植えたり、与えたりする作業を考えると、長辺が長い分、効率が悪くなるケースもあります。


米作りの水の条件


水は米作りにもっとも大事な要素の一つです。

米作りには水を多く使うため、大量の水を確保できる田んぼであることが望ましいでしょう。

河川が近くにあれば、側溝から簡単に水を引き入れることができます。

しかし、排水が整備されていない圃場や、河川が近くにない場合は水の確保が難しいです。

また、米は美しく、冷たい水であるほうが、品質が向上すると言われています。

地域により異なりますが、山脈から流れ出る河川水や湧き水には、微量要素(作物にとって、微量必要な栄養素の総称)であるマグネシウムやカルシウム等のミネラル分が含まれている場合があります。

米はこれらの微量要素を根の根酸で溶かしだすため、美しい水が適しています。

また、冷たい水は夏や初秋の猛暑から稲を守ります。

夏から初秋にかけて、稲は登熟期(稲穂が出てきて、種子が次第に発育・肥大する時期)になります。

登熟期における、高温は玄米の品質低下を招きます。

出穂後、20日間の日平均気温が23~24度を超えると、未熟米(籾が生育しきらず、白っぽくなったり、緑っぽくなっている玄米)の発生割合が高まります。

冷たい水は登熟期に田んぼの地温を下げ、稲にとって快適な温度を作り出します。

水が手に入りにくい地域では、ため池に雨水をためておき、必要な時に流し込むという方法を取りますが、雨水は河川水よりも水質が悪く、太陽熱によって温められています。

こうした理由から、冷たく、美しい水が手に入る田んぼのほうが、米作りには適しています。


米作りの気候の条件


米は温暖湿潤な地域でよく育つ作物です。しかし、耐冷性の品種を求めた結果、条件が逆転しています。

登熟期における高温障害を防ぐためにも、冷涼な気候の方が米を作りやすい環境です。その反面、冷涼な地域ではいもち病などが発生しやすいという傾向もあります。

温暖な地域にはその地域に適した品種や作型があります。

温暖であれば、冷涼な地域ではできない二期作(年に2回、同じ作物を栽培して収穫すること)も可能です。

また、昼夜の寒暖差が大きい気候も米の品質向上を助けます。

夜が涼しいほど、籾の中にデンプンがしっかり蓄積され、重く、おいしいお米が育ちます。

米作りの土の条件


米作りでは、一時的に田んぼから水を抜くことがあります。そのため、保水性と透水性の両方を兼ね備えた田んぼが好ましいでしょう。

水はけが悪い場合は、プラソイラやサブソイラといった機械で耕盤破砕を行います。

耕盤破砕とは、田んぼに穴をあけ、水の逃げ道を作ってあげる作業です。

また、水がすぐに抜けてしまうような、水持ちの悪い圃場は保水性を高める改良が必要になります。

このお悩みの監修者

佐々木茂安

日本のお米をおいしくしたい。佐々木農業研究会代表/農業経営技術コンサルタント

滋賀県の改良普及職及び研究職を経て、2014年に「佐々木農業研究会」を設立。農業経営技術コンサルタントとして、栽培技術の指導や農業生産者の自己研鑽活動を支援。会員は秋田から愛媛まで80人。日本水稲品質・食味研究会および日本科学者会議(支部は滋賀県)会員

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