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タモギタケは原木栽培できるの?

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タモギタケは原木栽培できるの?

東北で野菜を栽培しつつ、空いているスペースでしいたけの原木栽培も行っています。

先日、道の駅へ納品に行った際に、タモギタケが売られているのを目にしました。

お客さんも珍しそうにタモギタケを手にとっていたので、うちでも作ってみようかと考えています。

原木の扱いには慣れているので、もし原木栽培ができるのであれば、挑戦してみたいです。

タモギタケは原木栽培ができるのでしょうか?

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

タモギタケは高温性のきのこ、原木栽培では春先の接種で初夏からの収穫が可能です

タモギタケの特徴と栽培法


タモギタケは、ヒラタケ科ヒラタケ属のきのこでヒラタケに似ていますが、傘の色は鮮やかな黄色で独特の芳香を持っています。

野生では主に東北や北海道にかけて自生し、初夏から初秋にかけてニレ類やカエデ類などの広葉樹の枯れ木や倒木などに発生する木材腐朽菌です。

タモ類の樹木に良く発生することからタモギタケと呼ばれますが、ニレタケやコガネシメジとも呼ばれ、人工栽培も盛んです。

全国の生産量のほとんどを北海道が占めています。

うま味成分が豊富でその機能性も評価され、近年人気の品種と言えます。

タモギタケの栽培法としては、原木栽培(長木栽培・短木栽培)と、おが粉を用いる菌床栽培があります。

商業生産では、びん栽培による菌床栽培が主流となっています。


タモギタケ原木栽培に適した樹種


タモギタケはヒラタケ属のきのこなので、原木としてはニレ、タモが適していますが、コナラ、ケヤキ、トチ、エノキ、ブナ、シデ、ハンノキ、サクラ、カエデといった広葉樹でも問題ありません。

ヒラタケの原木栽培についてはこちらをご覧ください
ひらたけ(シメジ)を原木栽培する方法が知りたい



原木の準備


樹木の生長休止期となる、秋から冬に伐採します。

枯れにくい樹種は12月までの早い時期に伐採して乾燥すると良いでしょう。

長木栽培の場合、原木の直径が30cm以上になると栽培管理の負担となるので、原木の直径は10〜20cm、長さ約90cmが適当です。

短木栽培では長さ15cmの原木で栽培できるので、直径30cm以上の相当太い原木でも使用できます。



タモギタケ原木栽培のポイント


タモギタケはヒラタケよりも発生時期が早いので、比較的空中雑菌の少ない3月〜4月中旬に接種・仮伏せを済ませたうえで、4月下旬〜5月上旬を目安に本伏せを行なうと良いでしょう。

タモギタケは高温性のきのこであることから、接種した年の7〜8月ごろから発生し始めます。

翌年の5月下旬〜8月下旬にかけて、4回程度発生が見られます。

乾燥気味の場所では発生期の散水が効果的なので、週2回程度ほだ木が濡れるくらいに散水すると良いでしょう。

収穫適期はきのこの傘が2〜3cmの頃合いが目安です。

虫の多い時期と重なるので、遮光ネットなどの下に防虫ネットを覆うことで、食害を予防すると良いでしょう。

このお悩みの監修者

大賀祥治

九州大学 名誉教授、中国吉林農業大学 教授

農学博士。専門は、きのこ学、森林資源学。とくに食用・薬用キノコの生理特性や生産技術、森林の木材腐朽菌および菌根菌を研究し、九州大学発ベンチャー企業「株式会社マッシュピア」「ヒマラヤンバイオ・ジャパン株式会社」の各々会長、代表も務めている。

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