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白菜のトンネル栽培はどのようなメリットがあるのかを知りたい

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白菜のトンネル栽培はどのようなメリットがあるのかを知りたい

これまで果菜類を中心に栽培してきましたが、新たに葉物野菜に挑戦しようと考えています。

大根やにんじんを育てた際にトンネル栽培をしていたのですが、近くの農家さんから、白菜もトンネル栽培ができるよとアドバイスをもらったので、白菜の栽培に興味を持っています。

しかし、初めて白菜を栽培するということもあり、きちんと手順を確認しておきたいです。

どのように行えば良いのか、アドバイスをお願いします。

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

白菜をトンネル栽培すると、真冬でも霜の影響を受けずに健康な白菜が栽培できます

白菜のトンネル栽培とは


トンネル栽培とは、畝をビニールなどでトンネル状に覆って栽培する方法を指します。

白菜の栽培でも有効とされており、主に2月下旬から6月下旬ごろまで栽培する春まき栽培で活用される方法です。

ハウス栽培との違い


ハウスは人が作業できるくらいの広いスペースで設置されていますが、トンネル栽培では作物を覆うくらいの小さなスペースを確保します。

栽培方法

目的

トンネル栽培

雨や霜、害虫を防ぐ目的で利用

ハウス栽培

雨や霜、害虫の防除に加え温度の調整を目的として利用


トンネルを被覆して栽培することで、雨や霜の影響を受けにくく、白菜の育ちにくい冬から春にかけて健康な白菜が栽培できます。

また、春まき栽培では、気温が低い時期に育苗および定植をするため、花芽ができ花茎が伸びてきます(抽苔)。

そのため、花芽ができないようにトンネル栽培を行います。


トンネル栽培のメリット・デメリット


トンネル栽培には、さまざまなメリット・デメリットがあります。

栽培環境や目的によっては、トンネル栽培が適していない場合もあるので注意しなくてはいけません。

メリット


白菜をトンネル栽培するメリットは次の通りです。

・害虫の防除
・気温が低い時期でも霜害の影響を受けず栽培ができる
・春まき栽培でトンネル栽培を行うと、花芽形成を抑えることができ、花茎の伸長(抽苔)防止につながる


白菜は気温が下がり出す夏の終わりごろから栽培を開始する秋まきが一般的ですが、トンネル栽培をすることで冬の終わりごろからの栽培も可能です。

霜害の影響を受けず安定した収量が見込めます。

また、白菜栽培において葉を食べてしまう害虫防除は必須ですが、トンネル栽培は防虫ネットを被せた時と同じ役割も担います。

秋まきの場合でも防虫のみを目的として、防虫ネットなどでトンネル栽培を行う農家も多いです。

白菜によく付く害虫についてはこちらをご覧ください
白菜の主な害虫の種類と対策方法は?



デメリット


トンネル栽培は、気温が低い時期の栽培に有効ですが、夏の終わりごろから設置すると白菜が育ちにくいです。

白菜の生育適温は15~20℃が目安ですが、夏の下旬に設置してしまうとかえって熱がこもり高温になってしまうからです。

また、ビニールハウスのような人が通れるスペースも少ないので、追肥などの作業を行ことも難しいです。

トンネルの資材費や設置する労力を要する、また、花茎を伸長(抽苔)させないように温度管理を行おうとすると高度な技術を必要です。


トンネル栽培のやり方


トンネル栽培では、トンネル用の支柱と被覆資材が必要です。

被覆資材は主に次のようなものが使われています。

ビニールフィルム

保温性に優れており、透湿性が低い

ポリオレフィン系フィルム

透光性、保温性に優れている

ポリエチレン

透光性、防霜性に優れているが、保温性が弱い

不織布

防霜性、透湿性に優れている


中でもポリオレフィン系フィルムは軽くて耐寒性にも優れているので扱いやすく、おすすめです。

支柱は50cm程度の間隔を基準として、地面に対して垂直に差し込みます。

支柱は、2m程度のトンネル支柱(プラスチック製)を用いるとアーチ型に挿していけるので簡易に作れます。

その後、畝に対して被覆資材を覆って固定すれば、トンネル栽培に必要なトンネルが完成です。

白菜の栽培方法は、通常の露地栽培と変わりません。


トンネル栽培のポイント


白菜をトンネル栽培するのであれば、秋まきよりも春まきで行うと良いでしょう。

秋まきでは防虫以外の効果が見込めないので、気温や日照の問題から通常の露地栽培の方が良いケースが多いです。

また、春まきでトンネル栽培を行うにしても、気温が上がり始める時期には充分な換気をすることが重要です。

密閉されたトンネル内では、外気よりも高温になってしまうため、生育過程の白菜が育ちにくくなってしまう恐れがあります。

栽培環境ごとに気温の変化は異なるので、生育適温を充分に意識した栽培をしていきましょう。

このお悩みの監修者

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

琉球大学農学部を卒業後、和歌山県庁に入庁して農業改良普及所の技師や、果樹試験場の研究員などを歴任し、2009年退職。同年、農業生産法人「有限会社神内ファーム21」に入社し、南方系果樹の研究を経て、2015年から南九州大学環境園芸部果樹園芸学研究室の講師に。2021年同大学・短期大学の学長に。2022年5月、学長退任後も教授として引き続き学生を指導する。

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